2014.07.04
海外での活動

試行錯誤の絵本出版

ラオス

サバイディー(こんにちは)!
ラオス事務所の山室です。

ご存知の方も多いと思いますが、ラオスは多民族国家です。少なくとも47以上の民族が暮らしているといわれています。首都ヴィエンチャンは公用語のラオ語を母語とするラオ族が多いのですが、事業対象地であるルアンパバーン県ヴィエンカム郡は、その人口の85%以上が少数民族で、主にカム族、モン族が暮らしています。

ラオス事務所が今年度出版する予定の絵本は、事業対象地に住むカム族とモン族に伝わるお話です。

こちらは出版会議の様子です。
s-Publication MTG
職員や画家さんたちと一緒に、このお話で子どもたちに何を伝えたいのかを話し合ったり、「これではラオ族と区別がつかない」「昔の村人はこんな髪型ではないし、こんな服を着ていない」などと意見を言い合いながら、何度も修正をかけていきます。

絵本をつくるプロセスでは、民族や地域によって登場人物が着る服、家の形や素材、使っている道具などに特徴があるので、ひとつひとつ間違っていないか見ていきます。同じ民族でも南部と北部ではスタイルが違ったり、正直複雑です。でも、子どもたちが読む絵本。間違った情報や描写は避けなければなりません。

また、絵本に描く昔話の時代と現代とでは生活様式が変わってきているのも事実。民族の特徴が事業地に行ってもわからないこともあります。そんなときには伝統民族資料館に行って絵本づくりの参考にしています。
CIMG0456

こうして得た情報やサンプル写真を画家さんに見せて、絵本に描いてもらうのです。
時には、登場人物になりきって「この場面ではこんな表情を描いてほしい」などとポージングをして画家さんに見せることも。
Publication action
あの手この手を使って、出版チームでニュアンスを伝え合っています。

出版会議では試行錯誤の毎日ですが、子どもたちに良い絵本を届けるために、どんな絵本に仕上げていくか、職員と画家さんが同じ理解に立って進めていくことが大切です。

まだまだ超えなければいけない壁やプロセスがあり、発見と修正と意見のぶつかり合いの日々ですが、どんな絵本になりますことやら。絵本の完成はまだ先ですが、ご期待下さい。

 

ラオス事務所・コーディネーター 山室仁子