2014.11.30
海外での活動
学校に行くのが待ちきれない
「先生こんにちは!私の名前はポ・ウです!」
訪れたシャンティスタッフを「先生」と呼んで元気に挨拶をしてくれた彼女は10才ですが、
一見したところ、体は4~5歳ほどに小柄です。
彼女は知的障害があったため、公立小学校への入学を認められませんでした。
父親は弟が生まれた3年前に家を出て行ってしまい、
現在は、母と祖母、弟の4人で暮らしています。
彼女は今年の6月から、
シャンティとミャンマー識字リソースセンターとの協同支援事業による
夜間小学校に通い始めました。
「何もできない」と周囲から思われていた彼女は、
ここで、自分の名前「ポ・ウ」をミャンマー語で書けるようになりました。
数を数えられるようになりました。
詩を暗誦できるようになりました。
お絵かきができるようになりました。
目覚しい成長に、周囲の大人たちが驚きの声をあげました。
ある日彼女の家を訪れると、
授業が始まる4時間も前にも関わらず、既に学校へ出発する準備をしていました。
早く勉強がしたい、先生に会いたい、待ちきれないと言って、
リュックを背負って家の前で飛び跳ねていたのです。
その様子を、おばあさんと弟が嬉しそうに見守っていました。
この夜間小学校のプログラムでは、
日中働いている子どもたちのみならず、知的障害、身体障害を持つ子どもたちも参加します。
公教育から取りこぼされてしまった彼女たち、彼らたちへも、
等しく教育の機会を提供できることの意義がここにあると確信しています。
(ジョービンガウッ郡 ジョービンター村 夜間小学校プログラムの子どもたち)
ミャンマー事務所
本丸愛子