アフガニスタン女性たちの新たな挑戦
アッサラーム・アライクム!(あなたがたの上に平安がありますように)
今日、3月8日は国際女性デーです。そこで、昨年の政変からさらに多くの苦悩を強いられているアフガニスタン女性たちが置かれている現状と彼女たちの声をお届けしたいと思います。
アフガニスタンの女性と少女は、何十年もの間、生活の様々な場面で深刻な問題に悩まされてきました。最近では、昨年のタリバン暫定政権の台頭により、これまで多くの女性たちを犠牲にして達成されてきた20年の実績が失われてしまうかもしれないという不安が広がっています。多くの女性たちは基本的な権利や特権をすべて奪われ、家の中に閉じ込められてしまうことを余儀なくされています。
昨年タリバンが復権してから、小学校は再開したものの、中学、高校、大学などでは、男女別の教室にすることや教員の性別などが厳しく取りしまわれるため、学校運営がままならない学校も多く、多くの女子学生たちは学校に通うことができなくなりました。また、特に都市部では、社会で活躍していた女性たちも仕事に行くことを禁じられ、国外への退避の道を選択した人も多くいます。
14歳の少女、ハミダは次のように言っています。「冬が終わって春が来たら新年度が始まるので、また学校に行けるようになることが楽しみです。学校が再開し、また友達と一緒に勉強できるようになればとても嬉しいですが、父が私や妹たちを学校に行かせてくれるかどうか心配です。両親は、私たちが家から学校まで安全に通えるかどうか、確信が持てないのです。タリバンの人たちは公共の場所にも出入りしています。彼らの中には過激派もいて、市民に嫌がらせをすることもあります。」
(図書館で絵本を読む少女たち)
また、カブールに住む女性は、次のように言いました。「私たちには中学3年生と小学校5年生の娘が2人います。娘たちのことが何よりも心配です。夫は政府の職員でしたが、失職してしまいました。私たちの将来は不透明で、これからどうなってしまうのかわかりません。経済的な問題に加え、子どもたちが今後、教育を受け続けられるかどうか、そして、子どもたちの将来が心配です。」
アフガニスタンの現状においては、今年の女性の日は例年と異なる意味を持つと言えるでしょう。私たちは、アフガニスタンの各地で、多くの女性や少女たちのデモ隊が、治安上のリスクがあるにもかかわらず、それに屈することなく、教育や労働の権利などの基本的な権利について正義を求めて声を上げているのを見てきました。彼女たちは、教育が自分たちの自立に有効な役割を果たし、教育によって社会の中で影響を及ぼすことのできる一人の人間としての地位を維持することができることを知っているのです。アフガニスタンの人口の51%は女性と少女たちであり、家族を支える大きな割合を占めている国だからです。こういった女性たちの動きによって、旧タリバン政権では得られなかった権利を、現政権下では少しずつ切り拓いているように思います。
(研修で紙芝居を制作する図書館司書の女性たち)
しかし、女性たちにとってまだまだ制限が厳しく、不透明で不安な日々が続いていることも確かです。タリバン暫定政権下で、女性たちの正義のための闘いを本当の成功に導くためには、継続的な国際的支援を得ることができ、女性たちのこれまでの実績を守るという結果を出すことが必要であり、そのための道のりはこれから長く続くと言えるでしょう。今後とも、皆様からの温かいご支援で、彼女たちを支えていただけますと幸いです。