アフガニスタンの人々にとっての小麦粉料理

サラーム・アレイコム！（アフガニスタンで使われる「こんにちは」）

小麦粉は、アフガニスタンの人々の食生活において欠かせない重要なものです。アフガニスタンでは、ほとんどの農家が春に小麦を栽培しています。ですが、乾燥した気候の年は十分に栽培できません。そこで大量の小麦や小麦粉を隣国のパキスタンやウズベキスタン、トルクメニスタンなどから輸入し、国内で消費しています。

アフガニスタンの人々は、小麦粉を使って甘いナンやタンドゥーリナンなど、色々な生地を作り、それぞれ異なる形や伝統的なデザインに成形します。通常のナンはメイン料理と一緒に食べられるのに対し、甘いナンは間食のスナックとして作られます。

本日は皆様に、アフガニスタン家庭の食卓では毎度お馴染みの食べ物を紹介いたします。今回紹介するのは、特に家族でのパーティの時など、お休みの日に食べられるものです。

1）ボラニ（Bolani）

ボラニはアフガニスタンでもっとも有名であり、美味しい料理の一つです。ボラニが大好きな人はたくさんいます。ボラニは食事としてもおやつとしても食べられています。作り方は、まず小麦粉に塩、ベーキングパウダーを入れて、生地をぬるま湯でこねます。その後、２時間以上置いておきます。これで生地の準備は完了です。

時間が経ったら、今度はお好みの野菜をいれます。ニラやジャガイモ、カボチャ、マッシュルームなどの野菜です。自分たちで採ってきた野菜を入れることもあります。アフガニスタンの女性は食べ物を調理するのに、土窯か電子オーブン、あるいはフライパンを使いますが、フライパンでの調理がボラニを作る上では一般的です。

その他にも、小麦粉を使ってアフガニスタンの人々は、タンドゥーリクルチャという、ファンが多い料理を作ります。朝食だけでなく軽食としても気軽に食べられています。

2）タンドゥーリクルチャ（Tandoori Kulcha）

都市や村に住む多くの女性は、イード・アル＝フィトル（断食明けのお祭り）やナウローズ（アフガニスタンの元旦）をむかえる前に、タンドゥーリクルチャを作ってお祝いします。どちらの行事もとても歴史が長く、アフガニスタン女性にとっても、子どもにとってもなじみ深いものです。子どもたちはイード・アル＝フィトルやナウローズの際、親戚の家を訪問します。そしてお祝いのギフトとしてお金をもらう代わりに、タンドゥーリクルチャやゆで卵を受け取ります。お祝いがお金でない点は、都市の人々と田舎の人々の大きな違いですね。

しかし残念ながら、最近は、政変やウクライナ情勢による小麦の深刻な物価上昇のために、多くのアフガニスタンの家庭は苦境を強いられています。そのため、パン屋でナンを買うことができず、代わりに女性たちは、小麦粉から自分で生地を作ったり、上の方で紹介したような他のお菓子を焼いたりしています。

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