政変後に活動を続けるアフガニスタン女性たちの声

アフガニスタンでの政変後、女性や女の子を取り巻く環境は大きく変わりました。

女性たちの生活は制限され、教育や仕事、そのほかの社会参画といった基本的な権利が奪われてしまいました。政変から1年半以上の時間が経ちましたが、残念ながら、日に日に状況は悪化しています。

しかし、アフガニスタンでは、そんな中でも活動を続ける女性たちがいます。彼女たちは厳しい状況だからこそ市民社会の中で活動をすることの大切さを知っているのです。

ここからは、アフガニスタンのために活動を続けるそんな女性たちの声を紹介します。

ザリさん

「弱い立場や支援から取り残された子どもたちのグループの教育事業に従事することは、私にとってとても意義のあることです。だから女性として、女子教育に対する意識を高める活動をしています。」

ノーリさん

「私は、教員の授業や子どもたちの出席状況を確認するために一日にいくつもの教室を訪問します。そのために迷路のような谷を通らないといけません。急な坂道や険しい道が多い地域ですが、次世代のアフガニスタン人を育てるために仕事に行くことにやりがいを感じています。」

セライさん

「若い世代は変わってきています。若い人たちは、私たちの活動にとても満足し、感謝されています。。そんな子どもたちのために熱意をもって仕事に取組んでいます。子どもたちも教育を受けることができて、幸せだと思います。問題は山積しています、子どもたちのため、また私が必要とされている限り、仕事を続けたいと思っています。」

バスリさん　

「私は、日々教育の大切さを保護者に説明しています。特に、多くの困難に直面している女の子への教育の大切さを説明しています。私たちの女性職員は、この仕事の中で重要な役割を果たしています。国際社会は女性たちへの支援を拡大させるべきです。」

彼女たちの声からは、危険を伴う覚悟でアフガニスタンの未来を担う子どもたちのために活動を続けるという、力強い意志が感じられます。

そんな女性の意思とは裏腹に、2022年12月の終わりに、現暫定政権はNGOで働く女性やそのほかの社会的な支援を行う女性たちが働くことを完全に禁止する発表をしました。

しかし、国際社会と地域のリーダーの粘り強い交渉によって、一部の女性たちは仕事に戻ることができるようになってきています。一方で、全ての女性が職場に復帰できたわけではなく、罰則や嫌がらせを恐れ職場に戻れない人もいます。学校では、女性教員の減少により、女の子を中心に学校に通う子どもたちの数は減少してしまいました。

パリさん

「現在、大変厳しい規制の中、少数の女性のみが働くことを許されています。幸運なことに私も働くことが許された一人です。社会において女性が男性と同じ権利を持つためには、教育における女性の役割がとても重要になります。女性の役割の大切さは教育だけでなく、あらゆる分野においても同様です。教育や仕事などあらゆる分野で、社会は女性に機会を提供するべきです。だから、私は、子どもたちの教育を支援できる仕事に携わることができて幸せです。」

シレンさん

「教育を受けた女性は、今、アフガニスタンを照らす明かりのような存在です。子どもたちに教えることができるからです。私は、女性や女の子たちの学ぶ機会が保証されること、そして私たち女性が働き、社会活動に参加できるようなることを強く願います。国際社会には、アフガニスタンとともにいること、私たちへの支援を継続してくれることを求めます。私たちは、この20年間で築き上げたことを失いたくはありません。」

グルさん

「教育事業に女性が参加することはとても大切なことです。なぜなら、社会の半分は女性だからです。女性は学び、社会に参加する権利を男性と同様に持っています。私は、国際社会に対して、アフガニスタンの女性の支援をすること、そして共に立ち上がってくれることを強く求めています。日本の支援者やそのほかの多くの人たちが、支援を継続することで、私たちはこの状況を抜け出し、アフガニスタンの子どもたちのために新しい世界を創ることができます。」

ライラさん

「もし、女の子たちが勉強できなかったら、また女性教員が授業を持つことが許されなかったら、アフガニスタンは人口の半分が文字の読み書きができない国になってしまいます。無学の母親が増えると、勉強が分からない女の子たちがさらに増えてしまいます。私は、国際社会と特に女性を支援している団体に強く訴えます“アフガニスタンの女性の権利が奪われないように、一緒に立ち上がってください”。」

４０年にわたる戦争や政変等による厳しい制限の中でも、アフガニスタンの女性たちは力強く生きてきました。８人の女性の語りからは、彼女たちはどんな状況下でも諦めずアフガニスタンの子どもたち、そして未来のために粘り強く活動を続けていることが分かります。

私は、そんな女性たちがアフガニスタンの明るい未来を切り開いていくカギとなると信じています。