2012.02.10
読み物

最近の民主化傾向の余波~自主的本国帰還の議論スタート

スタッフの声
ミャンマー(ビルマ)難民キャンプ

ミャンマー(ビルマ)難民事業事務所の小野です。

1月には、最近の民主化傾向に対して「まだまだ信じられない」という住民の方々が多いことを書きました。しかし、1月12日に政府と停戦合意したカレン民族連盟(KNU)のニュースが流れた後、事態は確実に変化したように思います。つまり、各難民キャンプの運営を担っているカレン難民委員会(KRC)もこの動きを無視できず、いよいよ自主的本国帰還のプログラムの準備に取り掛かるべく始動した、ということです。

 

メラマルアンキャンプには、停戦合意のフォトレポートが掲示されていました。

 

その理由は、1月20日にメラキャンプ内で実施された「KRC Partners Meeting」に発しています。この会議では、7つのキャンプのKRC幹部が一同に集まり、NGOUNHCRなど50名を越える参加者と共に丸1日、キャンプ内サービスのあり方や問題点を議論しました。その中で、次のような3つの動きがありました。

(1) UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)の難民保護に関するプレゼンには、KRCのリクエストで「難民帰還」の一般的な手順が紹介された。

(2) SVAも加盟するCCSDPT(タイ避難民サービス調整協議会)のプレゼンでは、「難民帰還」の議論を再度すべきだと、2004年作成の素案を元に再度計画づくりをする必要性が訴えられた。

(3) KRC自身は、この会議の前の3日間、各キャンプと本部のKRC幹部のみで海外の専門家を招いて難民帰還に関する学習会を開催していた。

2004年と言えばキンニュン元首相と故ボーミヤKNU議長が同年1月「暫定的停戦合意」をした年。実は、この年にNGOUNHCRは難民帰還プログラムの素案を作りましたが、同年10月に強行派のクーデターでキンニュン氏が失脚、事実上停戦合意は破棄、帰還の話は頓挫しました。それ故、慎重論も多い一方、「今度こそは」という思いもまた関係者から伝わってきます。

しかし「すぐに帰還というわけではない」というのが大方の予想で、メラマルアン難民キャンプのボー・ポー委員長は「少なくともまだ4、5年はキャンプで最低限の社会サービスを維持する必要があり、SVAにも最後まで協力してほしい」とのこと。やはり、準備が整うのにそれ相当の年数が必要なようです。

 

メラマルアンキャンプの難民委員会の方々にお話をうかがう。

 

この事業は「長期化する緊急状態」という意味でも難しいのですが、今後も変化する外部条件に合わせて内容や規模の微調整が更に必要になりそうです。しかし、SVAは難民キャンプの人々の明日につながるサポートを心がけ、彼らの行き先が決まるまで彼らの傍らに立って励まし続けたいと思っています。過去、カンボジア、ラオスでそうしたように。

小野