2026.05.28
読み物

同じカレン族同士でもカレン語が通じない!?

ミャンマー(ビルマ)難民キャンプ
図書館
活動風景

こんにちは、ミャンマー(ビルマ)難民キャンプ事業事務所のウェンです。

前回はメラウメラマルアン難民キャンプの様子をお伝えしましたが、今回はラチャブリー県スアンプーン郡にあるタムヒン難民キャンプについてご紹介します。

コミュニティ図書館で青年ボランティアが行う人形劇に見入る子どもたち

タムヒン難民キャンプはミャンマー国境の近くの、森林に覆われた丘陵地帯に位置し、1997年に設立されました。

現在、タムヒン難民キャンプには6,000人以上の人々が暮らしており、そのほとんどはカレン族です。キャンプの住民はこの限られた空間と資源の中で、密集した地域に暮らしています。タムヒン難民キャンプは主要な電力網から遠く離れており、発電機から供給される電力でキャンプ内の事務所、保健所、学校の電気をなんとかまかなっています。一部の人びとは、夜間に小さな明かりを灯すためにバッテリーを充電して使用しています。キャンプの敷地は限られているため、家々は密集して建ち、その間には狭い小道しかなく、キャンプ内はごった返しているように感じられます。茅葺き屋根は火事になりやすいため、人びとは代わりにビニールシートで家を覆っています。 

 

シャンティは2003年にカンチャナブリに事務所を開設し、翌年にタムヒン難民キャンプで活動を開始しました。キャンプ内に竹やユーカリなどの自然素材で造られた小さなコミュニティ図書館を2つ建設しました。当時はナショナルスタッフも多くありませんでしたが、みんなで力を合わせてキャンプに本と図書館活動をもたらしました。現在、残っているのは1つの図書館のみですが、今もなお、老若男女を問わず人びとに門戸を開いています。 

自然素材で造られたコミュニティ図書館

 

キャンプ内のスタッフとの連絡は、常に難題でした。携帯電話やインターネットの接続環境が限られているため、リアルタイムでの会話はほとんどできません。その代わり、私たちは音声メッセージを残し、返信が来るのを待ちながら、時々確認しています。 

 

コミュニティ図書館で子どもたちが活動に参加している様子

あるスタッフが、タムヒン難民キャンプで子どもたちのための活動を企画した際の体験を語ってくれました。キャンプの子どもたちはミャンマーのある地域の出身で、その地域固有のカレン語の方言を話すのに対し、スタッフは別の地域の出身で違う方言を話し、それぞれ同じカレン語でも独自の話し方をしています。

「音も、言葉も、さらには口調まで違うんです」と彼女は笑いながら言いました。「想像できますか? 図書館員に『カレン語をカレン語に訳して』と頼まなければならないんです!」 「例えば、私が『トイレはどこ?』と尋ねると、スタッフは『タハロルはどこ?』と言い、タムヒン難民キャンプの子どもたちは『……はどこ?』とまた違う言い方で言うんです。これは全く別の表現なんです。想像できますか? カレン語をカレン語に訳してもらうために、図書館員に頼まなければならないんです!」

このような経験は、同じ少数民族内であっても、コミュニティがいかに多様であるかを如実に示しています。 

次回は、また別の難民キャンプについてご紹介します。私たちの活動と物語は続きます。 

ミャンマー(ビルマ)難民キャンプ事業事務所 ウェン