世界の絵本を読んでみよう 「お正月のパーシ(Pha si)の音」ミャンマー
シャンティ国際ボランティア会は、良質な本が少ないアジア各国・各地域で独自に制作した絵本を出版しています。子どもたちに質の高い絵本を提供できるよう、現地の作家やイラストレーターを対象とした専門家による研修を実施したり、少数民族たちに口頭で伝承されてきた民話などを絵本にまとめる活動を行っています。
今回は2025年 ミャンマー「お正月のパーシ(Pha si)の音」をご紹介します。

1.今日はカレンのお正月、ピャードーの月初めの日。フォー・チョンと兄のコ・コ・ギは新年のお祭りが開かれるサッカー場へと向かいました。
カレンの旗がいたるところで掲げられています。「赤は勇気、青は忠誠、白は純潔を表しているんだ。日の出は人生の進歩を、大きなパーシ(太鼓)は文化を象徴しているんだよ」コ・コ・ギが説明しました。

2.「パーシというのはカレンの人々にとってとても重要な楽器なんだ」コ・コ・ギが言います。新年祭と収穫祭では「ドゥドゥ」と鳴るパーシの音に合わせて踊ります。
ドンヤイン(Done Yain)ダンスの会場に行くと、小さなハンカチを持った踊り子たちが息を合わせて跳んだり踊ったりしているのが見えました。「なんてすてきなんだろう」

3.次に二人は、ウォーニャット(War Hnyat)ダンスを見に行きました。格子状の竹がリズミカルに叩かれる中、踊り子たちはその間を軽やかに飛び回り、ハンカチを振って舞います。フォー・チョンは踊り子たちの足が竹の間に挟まらないか不安になりました。
そのあと二人は、バッファローを模した帽子をかぶって踊るバッファロードンヤインも見に行きました。

4.それから二人は、コーヒンパウン(Kauk Hnyin Paung/もち米)がふるまわれる場所に。柔らかくてあたたかいもち米はゴマと塩、すりつぶしたココナッツがまぶされていて、とてもいい香りです。コ・コ・ギは、もち米の粘り気は連帯を表すのだと言いました。
その後、チョーティン(Chaw Taing/竹棒のぼり)コンテストにいきました。潤滑油に覆われた竹の棒を上り、てっぺんにある旗をとる速さをグループで競います。

5.その次に、二人は展示場へ行きました。そこではカレンの伝統衣装、パアン市、ヅウェカビン山の写真を見ることができました。観光地や農場などの写真に加えて、地元の生産品の茶葉やコーヒー、カレン州の森で採れるハチミツなども展示されていました。

6.家に戻る道中、コ・コ・ギはカレンの人々はエーヤワディー三角州のあたりにも住んでいるのだと説明しました。農業のほかにもカレンの人々は漁業や練り魚、干物などの小さな商売を営んでいると聞き、フォー・チョンはいつかそこに行ってみたいと言いました。
その夜、眠りについたフォー・チョンは、夢の中でドンヤインダンスを踊っていました。とても楽しい一日でした。
「世界の絵本を読んでみよう」シリーズ
本記事は、シャンティが発行するニュースレター「シャンティVol.323 (2026年6月号)」に掲載した内容を元に再編集したものです。
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