2022.09.27
読み物

カレン族の手首に糸を巻く儀式~難民キャンプの場合~

ミャンマー(ビルマ)難民キャンプ

ハラゲー!(カレン語で「こんにちは」)ミャンマー(ビルマ)難民キャンプ事業事務所のウェンです。

8月に各難民キャンプでカレン族の伝統的な儀式が行われ、BRC事務所のスタッフがメラキャンプの儀式に参加してきましたので、今回はその様子をご紹介します。手首に糸を巻く儀式で、先日ミャンマー事務所からも紹介がありましたので、ぜひそちらと一緒にご覧ください。

 

カレン族は、まだ宗教がなかった時代には、霊を信じていたと言われています。人の魂が恐れを抱くと、霊は暗闇に逃げ出してしまうため、霊を逃がさず、恐れから解放されるように、白い糸を手首に結び付けて霊を呼び戻すのが、この儀式です。

この古くから守られてきた儀式は、年に一度行われます。儀式では、結婚してからずっと一緒に暮らしてきた夫婦たちが子どもの霊を呼びます。そうすることで、霊は暗闇から呼び戻され、家族のもとに留まります。親たちはまた、子どもたちが文化を守っていくことを祈ります。

カレン族の手首に糸を巻く儀式~難民キャンプの場合~

(カレン族の伝統衣装を着て、親たちと子どもたちが向かい合って座ります)

カレン族の手首に糸を巻く儀式~難民キャンプの場合~

(親たちが子どもたちの手首に糸を巻きます)

この儀式使う道具は8つで、それぞれ意味が込められています。

カレン族の手首に糸を巻く儀式~難民キャンプの場合~

1.しゃもじ:霊を呼ぶのに使います

2.コップ1杯の水:冷静さ

3.赤と白の糸:カレン族で愛と調和を表す色

4.小さくにぎったごはん:集団としての団結

5. 竹の葉で包んだごはん:離れることなく協力すること

6.バナナ:一貫性

7.花束:成長

8.さとうきび:友情

会場に集まった皆さんもお互いの手首に糸を巻き合います

(会場に集まった皆さんもお互いの手首に糸を巻き合います)

このカレン族の伝統的な儀式は、宗教の垣根を越えて古くから行われてきた、人々に団結を思い出させるものです。私たちは宗教や民族が違っても、ともに生きることができることを思い出させてくれます。シャンティスタッフも、難民キャンプの皆さんとこれからもともに歩んでいきたいと思います。

 

ミャンマー(ビルマ)難民キャンプ事業事務所 ウェン