人とシーツは見かけではありません。
こんにちは、ラオス事務所の鈴木です。
ラオス国内北部へ出張したある晩のことです。
一日の外での仕事を終え、水浴びをし、真っ白いシーツのベッドの上で
パソコンを抱えながら書類仕事をしていました。
時計を見ると、日付が変わって深夜1時。
『あ~あ、こんなに遅くなっちゃった』と思いながら、パソコンをしまい
寝る支度をしました。
裸足のままで歩けないような床で、
窓に掛かっているのは、擦り切れたカーテンで、
天井には無数の穴ぼこが空いているような部屋であっても、
ベッドだけは洗濯したての清潔な真っ白なシーツに安心感を覚え、
安心して眠りについたのでした。
30分くらいして、手のひらに、何か『ちくちく』を感じたのです。
毛糸が素肌に触れたような感じの、気にしないならそのままにできるような
『ちくちく』だったのと、あと眠かったのもあり、そのままでいました。
また、数分後、今度は素足に『ちくちく』を感じたのです。
う~ん、なんだろう? このまま寝てしまおうか、
ちょっと起き上がって見てみようかと迷いながら、ウトウトしていると、
そのうちに、首筋に『ちくちく』を感じたので、
まぁ、ちょっと見てみるかと思い、起き上がって電気をつけてみると
真っ白はずのシーツに別色、赤茶っぽい色が混ざっているのです。
一瞬、メガネをかけようか、かけまいか迷いながら、いやいや、かけるんだ。
現状をしっかり把握せねば、とメガネをかけてみると、
ぎょっ!、ぎょっ! ぎょぇぇぇえええええええ!!!!!
真っ白いシーツの上に、私の寝ていた形が分かるように
無数のうじょうじょ動く、ダニがぁぁぁあああああ!!!!!!
うわぁ~と、一声上げて、パジャマを脱いで真っ裸になり、
パジャマをバタバタはたけば、飛び散るダニ、ダニ、ダニ!!!
ベッドの上には体長1cmの大人ダニから、3㎜ほどの赤ちゃんダニまでが
今日の夕飯を求めてうじゃうじゃ動き回っているのです。
試しに、大人ダニを1匹、爪で潰してみると、真っ白なシーツの上に
直系3cmほどに飛び散ったのは、血!!
ダニが赤茶の訳は、血なのか!?
そしてこの血は、私の血なのか?!
真っ裸の女性が1人、ラオスの北部の、とあるゲストハウスの一室で、
小さな手鏡を駆使して吸血跡を探せば、無数の跡が...
嗚呼...、と見上げた先には、パジャマから飛び散った無数のダニが
飛び散った天井が...
気づけば、深夜2時。さぁ、これからどうする、私。
レセプションなど無い安宿だったのですが、幸い、入り口の床に雑魚寝を
していた宿の若者がおり、『ダニ』というラオス語を習得していない
私はそこからまた時間をかけ身振り手振りで説明した結果、ようやく
別部屋を用意してもらえる事になりました。
荷物の移動も終えて時刻は、深夜3時。
ホッと一安心、でも、3時間後の6時には出発。
少しでも寝ようと横になってはみましたが、ダニは居ないはずなのに
何故か体は、ちくちく、ちくちく、ちくちく・・・・
時計の針は、ちくたく・ちくたく・ちくたく・・・
そのまま、一睡もできませんでした。
いや一睡ではなく、その翌日も、翌々日も、居ないはずのダニの妄想と
戦いながら眠れない日が続いています。
無数の吸血の傷跡が発するカユミとも戦い続けています。
皆さん、白いシーツと安心してはいけません。
シーツと人は見かけではないのです。
今後ともラオス事業を宜しくお願いします。
鈴木淳子