ファインダーをのぞいて「平和の象徴レイケイコー村」ミャンマー
「ファインダーをのぞいて」は、シャンティが教育文化支援を行うアジア各地の様子を、フォトジャーナリスト川畑嘉文さんが写真でご紹介するコーナーです。
今回はミャンマーの「平和の象徴レイケイコー村」がテーマです。
黄昏時のレイケイコー村。同じ形の家が並ぶ。
「宗教や民族に囚われず協力して生きる。それがレイケイコー村の理念です」。2020年2月、この地を訪れた際、村のリーダーたちは話しました。
2015年に作られたばかりのこの村は国内避難民や帰還難民たちの受け入れ地としても期待され、新しい住居の建設が進んでいました。通りでは、無邪気に遊ぶ子どもたちの姿があり、なんとも長閑です。
職を持たない村人のために農業を根付かせようと少し離れた丘陵地帯には種々の苗が植えられていました。これらが成長するころにはきっと村も賑わいをみせていたことでしょう。
サッカーをして遊ぶ小僧(しょうそう)たち
そんな村が2021年12月戦闘状態に陥り、2022年1月にミャンマー国軍の手に落ちました。多くの人々がまた難民となってしまったのです。あの子どもたちが無事に避難できたことを祈るばかりです。
夕方、家路につく子どもたち。村には高校までの教育機関がある。
撮影者 川畑嘉文(フォトジャーナリスト)
千葉県出身。ペンシルベニア州立大学卒業。専攻は国際政治。ニューヨークの雑誌社勤務時代に9.11を経験し、記者職を捨て写真の道に進むことを決意。会社を退職しタリバン政権崩壊後のアフガニスタンを訪れ取材を行った。2005年フリーランスのフォトジャーナリストとなり、世界中の難民キャンプや貧困地域、自然災害の被災地で貧困や難民問題、自然災害などをテーマに取材。
第39回JPS(日本写真協会)展金賞、第17回上野彦馬賞「九州産業大学賞」、DAYS国際フォトジャーナリズム大賞2017「パブリックプライズ」等、受賞歴多数。著書に『フォトジャーナリストが見た世界』(新評論)。
「ファインダーをのぞいて」
本記事は、シャンティが発行するニュースレター「シャンティVol.315(2022年6月号)」に掲載した内容を元に再編集したものです。
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