世界の絵本を読んでみよう「ネコとサル」ラオス
シャンティ国際ボランティア会は、良質な本が少ないアジア各国・各地域で独自に制作した絵本を出版しています。子どもたちに質の高い絵本を提供できるよう、現地の作家やイラストレーターを対象とした専門家による研修を実施したり、少数民族たちに口頭で伝承されてきた民話などを絵本にまとめる活動を行っています。
今回は、2012年にラオスで出版した絵本「ネコとサル」です。
『ネコとサル』表紙
お腹をすかせた2匹のネコが食べ物を探していると、道端にお菓子を見つけました。2匹が奪い合うと、お菓子は2つにちぎれて片方が大きくなってしまいました。
そこに1匹のサルが通りかかりました。ネコたちはサルを呼び止め、2つのお菓子を同じ大きさにしてほしいと頼みました。
サルはお菓子を受け取ると、大きい方のお菓子に食いつきました。すると、もう片方よりも小さくなってしまいました。「あれぇ、まだ同じ大きさにならないや」。サルはもう片方も食べました。
ネコたちは「それ以上食べたら僕たちの分がなくなっちゃうよ!」と言いましたが、サルは「君たちの頼みをかなえるためにやっているんだ」とお菓子を放しません。
ネコたちはお菓子を返すように言いましたが、サルはお菓子を食べ続け、もっと小さくなってしまいました。
「よし、これで同じ大きさになった」。サルは笑いながら帰っていきました。
たくさん欲しがってばかりだと、このネコたちのようになってしまうのです。ケンカさえしなければ、もっと大きなお菓子を食べられたのに。
「世界の絵本を読んでみよう」シリーズ
本記事は、シャンティが発行するニュースレター「シャンティVol.311 (2021年夏号)」に掲載した内容を元に再編集したものです。
※ニュースレター「シャンティ」は年2回発行し、会員、アジアの図書館サポーターに最新号を郵送でお届けしています。
シャンティは、子どもたちへ学びの場を届け、必要としている人たちへ教育文化支援を届けています。引き続き、必要な人へ必要な支援を届けられるよう、月々1,000円から継続的に寄付してくださる「アジアの図書館サポーター」を募集しています。