【世界の現場からAIR MAIL】Fromカンボジア事務所
シャンティ国際ボランティア会は、アジア7カ国8地域に事務所をかまえ、教育文化支援活動を行っています。各国、各地の海外事務所から、現地の状況やシャンティの活動についてご紹介します。
カンボジアでは経済発展が進む一方、都市部と農村部の経済や教育の格差が広がっています。コロナ禍で活動が制限される中、職員一丸となってさまざまな工夫を取り入れながら、支援活動を継続しています。
『りんごがひとつ』童心社/『あなたのいえ わたしのいえ』福音館書店/『ハンダのびっくりプレゼント』光村教育図書/『まちのねずみといなかのねずみ』金の星社/『ひとりじめ』佼成出版社/『きょうりゅうたちのおやすみなさい』小峰書店/『ゴーゴーゴール!』フレーベル館
息の長い支援が求められる教育開発分野でNGOが果たす役割
カンボジア事務所ではこれまでに、文化事業やスラムでのコミュニティ図書館事業、コメ銀行など、さまざまな取り組みを実施してきました。現在はフォーマル教育(公教育)事業とノンフォーマル教育(学校外教育)事業を実施しています。以前より活動の幅が狭く対象地域も絞られていますが、これはカンボジアが発展している証だと思います。
一方で、シャンティの活動地域である農村部では、学校数や教員の質、子どもたちの学習環境など、都市部との格差が広がっています。息の長い支援が必要な教育開発分野では、NGOの役割は依然として高いと感じます。
教育の大切さをより多くの人に知ってほしい
私が担当する会計業務は、直接現場での活動に関わることはありませんが、子どもの教育を良くするには親の理解が欠かせないと考えており、コミュニティ図書館活動や成人教育に関心があります。
以前にへき地やスラムでの移動図書館活動に同行した際、うれしそうに本を読む子どもの姿が心に残りました。モノは簡単に壊れてしまうけど、知識は壊れません。生活の向上や道徳を身に付ける上でも知識は重要だと思います。
Hot Topics
1.コロナ禍における工夫
コロナ禍でも多くの活動をオンラインに切り替えるなどして活動を継続しています。コロナ禍を契機に、働き方や支援の仕方を変えたり、私が担当する会計業務でも、オンラインでの国内送金をできるようにするなど工夫をしています。
ECEオンライントレーニング
2.物価の上昇
ガソリン価格の上昇など物価上昇が気になっています。最近は食料品の価格も上がっているため、家計のやりくりを工夫しています。本当に必要なものかどうかを見極めて無駄な買い物をしないようにしています。特に肉類が高いので、魚料理を以前よりも頻繁に作るようになりました。
マーケットの様子
3.平和に対する想い
昨今のロシアによるウクライナへの軍事侵攻のニュースを見て、戦争の残酷な現実を見ました。戦争はすべてを破壊してしまいます。誰も戦争を望んでいないはずです。私も内戦時代に家族がバラバラになるなど壊されてしまった経験があるので、ウクライナの人々の気持ちが分かります。戦争に良いことは一つもないのに、指導者が戦争をしてしまう現実は悲しいです。人々は平和に生きたいと思っているはずです。
カンボジア事務所職員ソリダさんの活動風景
「世界の現場から AIR MAIL」
本記事は、シャンティが発行するニュースレター「シャンティVol.316(2022年11月号)」に掲載した内容を元に再編集したものです。
※ニュースレター「シャンティ」は年2回発行し、会員、アジアの図書館サポーターに最新号を郵送でお届けしています。
シャンティは、子どもたちへ学びの場を届け、必要としている人たちへ教育文化支援を届けています。引き続き、必要な人へ必要な支援を届けられるよう、月々1,000円から継続的に寄付してくださる「アジアの図書館サポーター」を募集しています。