絵本に込められた想い『おつきさま ひとつずつ』
シャンティは1999年から「絵本を届ける運動」を開始し、絵本が不足するアジアの地域に日本から絵本を届けています。厳しい環境で暮らす子どもたちに、絵本を通してたくさんの物語や言葉を知る喜びに出会ってほしいと願い、これまでに40万冊以上の絵本を届けてきました。
子どもたちの年齢や文化的背景に応じて必要な絵本は異なり、児童書の書店員、図書館員、出版社から、おすすめを教えてもらっています。
今回は、絵本『おつきさま ひとつずつ』に込められた想いを、株式会社童心社編集部の中山佳織さんに伺いました。
みんなにひとつずつあって、よかったね。
小さいあこちゃんは、おかあさんと手をつないでかえります。
「ねえおかあさん、アフリカにもおつきさまある?」「あるわよ」「イギリスにもある?」「あるよ」――「おつきさまがみーんなにひとつずつあって、よかったね」あこちゃんは安心して、お家にかえります。
このお話は長野ヒデ子さんと、まだ4、5歳のお嬢様が交わした会話をもとにつくられました。「おつきさまはひとつしかない」ではなく「みーんなにひとつずつあって、よかったね」といったあこちゃんの言葉を、長野先生はずっと大切に覚えていらっしゃったのでしょう。
世界中のひとびとの頭上にそれぞれのおつきさまがかがやいている、そんな情景が浮かんでくる、じんわりとやさしさが沁みる絵本です。
出版社紹介:株式会社童心社
1957年、紙芝居の出版社として創立。月毎に新刊が届く「定期刊行紙芝居」は創業当時から現在も出版を続けている。日本一の出版部数を誇る『いないいないばあ』や「14ひきのシリーズ」「ももんちゃんあそぼうシリーズ」などロングセラー絵本も多い。
「絵本を届ける運動」では、翻訳絵本を作ってくださる方を募集しています。
本記事は、シャンティが発行するニュースレター「シャンティVol.319(2024年6月号)」に掲載した内容を元に再編集したものです。
※ニュースレター「シャンティ」は年2回発行し、会員、アジアの図書館サポーターに最新号を郵送でお届けしています。
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