2026.09.07
緊急人道支援

被災地で緊急初動調査を実施|ネパール土石流

ネパール
寄付募集中

8月26日にネパールで発生した土石流と洪水。

前回のブログでは、発災から1週間の被害状況と、被災地へのアクセスが困難な中でシャンティが緊急支援に向けた調整を進めていることをお伝えしました。

 

9月上旬、ネパール事務所の萩原宏子所長が現地職員とともに、被害の大きかったヌワコット郡ベルコットガディ自治体に入り、被災状況や住民のニーズを確認するための調査を行いました。今回の調査には、JPF(ジャパン・プラットフォーム)のスタッフ2名も同行し、避難所となっている学校や被災地域を視察したほか、区長、副市長らから被害状況や現在必要とされている支援について聞き取りを行いました。

ベルコットガディ自治体の様子

 

道路が寸断され、被災地へのアクセスにも困難が

道路状況はいまだ不安定な状態が続いている

 

被災地への道のりは、今も容易ではありません。

 

ベルコットガディ自治体へ向かう途中では、河川沿いの道路の一部が通行止めとなっており、山を上り下りする狭い道を迂回しなければならない場所もありました。また、道路整備のため通行できなくなり、途中で1時間ほど待機する場面もありました。

こうした道路状況は、被災状況の把握だけでなく、今後、支援物資を届ける際にも大きな課題となることが予想されます。

 

学校で避難生活を続ける人々

今回訪問したベルコットガディ自治体7区では、中学校が避難所として使用されており、訪問時には196人が生活していました。

避難所で生活する人々の様子

 

教室では、一つの部屋を一世帯、あるいは複数の世帯で共有しています。カーペットが敷かれた幼児教育用の教室で生活する人や、机の上にマットなどを敷き、寝床として使用している人の姿もありました。

自治体によると、ベルコットガディ自治体全体では186世帯が被災し、そのうち84世帯が7区に集中しています。現在4か所が避難所として使われ、そのうち2か所は学校です。避難所となっている学校では授業を行うことができず、災害は子どもたちの教育にも影響を及ぼしています。

 

避難している方々からも、突然それまでの暮らしを失った状況について話を聞きました。

「土石流が来ると最初に聞いたときは信じられませんでした。でも、家族に言われて、慌てて何も持たずに逃げました。以前家があった場所には、もう戻ることができません」そう話した女性もいました。

 

完成してわずか3か月だった家を失ったという男性や、「安全な場所に移りたい」と話す方もいました。

 

避難所で生活する女性

 

2人の子どもを育てる女性は、

「服が必要です。子どもたちの教育も心配です。教材もすべて流されてしまいました」

と話しました。

住民の方から話を聞く中で、家や財産を失ったことによる大きな喪失感や、これからの生活への不安も感じられました。

 

安全な暮らしと、その先の生活再建に向けて

区長や副市長への聞き取りでは、現在特に必要とされているものとして、安全に暮らすためのシェルター、水・衛生環境(WASH)と安全な水の確保、瓦礫の撤去などが挙げられました。

JPF(ジャパン・プラットフォーム)のスタッフと聞き取りを実施

 

住む場所を失い、今も学校などで避難生活を続けている世帯が多く、中には今後新たに住居を建てるための土地を確保することが難しい世帯もあります。自治体では、こうした人々が安全な場所に移るための土地の確保や、一時的な住居についても検討を進めています。

 

安全な住まいを確保することは、被災された方々が生活を立て直していくための第一歩です。同時に、避難所として使用されている学校で、子どもたちが再び学べる環境を取り戻していくことにもつながります。

 

さらに、生活を再建していくためには、住居だけでなく、農業などの生計手段をどのように取り戻していくかも重要な課題となります。また、突然家や財産を失ったことによる大きな喪失や不安を抱える方々への心理社会的な支援も必要になると考えられます。

被災した家屋の状況

 

シャンティでは、現在進めている緊急支援に加え、今回の調査で確認された声やニーズを踏まえ、自治体や関連機関と連携しながら、今後も被災された方々に必要な支援を検討していきます。

 

本緊急救援事業は、JPF(ジャパン・プラットフォーム)ならびに日本の皆さまのご支援により実施しています。

 

ネパール事務所長 萩原宏子

 

【ご支援のお願い】

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