ウクライナ難民の子どもたちに学用品を配布しました。
早くも冬の足音が聞こえるポーランドから、ウクライナ難民支援事業について報告します。
2022年2月下旬にロシアが本格的にウクライナに軍事侵攻を始めてから、約8か月が経過しました(2022年10月現在)。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、ウクライナからポーランドに逃れた難民の数は10月上旬時点で140万人を超えました。
このたびシャンティ国際ボランティア会は、ジャパン・プラットフォーム(JPF)の助成金を受けて、ポーランドとウクライナにおいてウクライナ避難民に支援物資を配布する事業を開始しました。ポーランドの首都ワルシャワに仮設事務所を構え、1,650人に食料品や生活必需品を、720人の子どもたちに学用品を配布します。先日、事業の一環で、ポーランド南部のシェルターに滞在している25人のウクライナ難民の子どもたちにリュックサックやノート、鉛筆などの学用品を配布しました。9月から始まる新しい学期のスタートに間に合わせることができました。
配布されたリュックサックと子どもたち
配布されたノート類
ウクライナ政府は、ポーランドに逃れた子どもたちがウクライナの教育を継続できるようオンライン授業を提供していますが、新たな滞在先でポーランドの学校に通う子どもたちも多くいます。子どもたちにとって、新しい国や環境下で、慣れない言葉で授業を受けることには大きな困難がつきまといます。ポーランドとウクライナは歴史的・文化的につながりが深いこともあり、ポーランド国内では多くの地元のボランティアが支援活動を行っていますが、ロシアの侵攻が長引く中、支援の必要性はいっそう高まっています。
また、本事業で支援予定のシェルターも訪れました。ここは一般のホテルで、館内の一部の部屋を難民の方々の滞在用に充てています。子どもたちが数十人滞在しており、シェルターで子どもたちが退屈せずに過ごせるよう、空きスペースに遊び場を作るなど、支援者たちによる温かな工夫がみられました。
物資配布予定のシェルター前でウクライナ難民、支援者の皆さんと
シェルター前に作られた遊び場
本事業を通して、ウクライナから逃れた子どもたちが勉強に必要な筆記用具やスポーツ用品を受け取り、学習の継続や運動不足の解消などにつながります。引き続き皆様の温かい支援をよろしくお願いします。
海外緊急人道支援担当 羽賀美樹