未来をつなぐ教育と文化|6月20日 世界難民の日によせて
国連で制定された「世界難民の日」は、難民の保護と支援への世界的な関心を高めることを目的に2000年に採択されました。
しかしその後、現在に至るまで難民の数は増え続けており、国連発表によると国境を越えた難民は4,250万人、国内避難民は1億1,700万人に達するとのことで、まさに日本国民全体に匹敵するほどの数になっています。

アフガニスタンの避難民家族 (c)川畑嘉文
シャンティはカンボジア難民、特に子どもたちへの教育・文化支援から活動を開始し、やがてアジア各国に活動を拡げ、今年で45年目を迎えることになりました。
中でもタイ国内に開設されて半世紀ほどになるミャンマー(ビルマ)難民キャンプでは、国際政治の混乱をもろに被り、食料支援の減少により約9万人暮らしていると言われている難民は、
将来への不安を訴えています。
その上、ミャンマー国内の軍事政権は強権をふるい、国内少数民族との紛争を激化させ、難民の人たちが祖国に帰れる目途もたっていません。

タイ国境ミャンマー(ビルマ)難民キャンプ (c)川畑嘉文
昨年はシャンティがミャンマー(ビルマ)難民キャンプに支援事務所を開設して25年という節目に際し、11月6日にはキャンプ内の各少数民族(14民族)の伝統的な歌や踊りを子どもたちが披露する「難民子ども文化祭」を開催しました。これは自民族の伝統に誇りを持つとともに、他民族の文化にも敬意をはらい、互いに認め合うことを目的として開かれました。ステージ上の子どもたちは、まるでそれぞれ民族の祖霊が降臨したかのように、いきいきと民族の伝統を披露し、フィナーレには全員がステージに上がり、kiroroの「未来へ」を日本語で大合唱するというサプライズで盛り上がりました。子どもたちの心に強い絆がきっと生まれたことと思います。普段は閉ざされたキャンプ内で生活を余儀なくされている人々にとっても、特別な日として多くの人々に歓迎され、その表情にも明るさを感じました。こうした解放感が祖国復帰へとつながっていくことを願わずにいられません。

難民子ども文化祭 (c)川畑嘉文
難民を取り巻く状況は、国際的な支援の減少などにより依然として困難で、生きる道の目途が立たない不安は常につきまといます。こうした状況は世界各地で起こされているのが現実です。
シャンティは難民の人々にとって衣食住が整えば、それでいいとは考えません。やがて祖国に帰り、自立して歩んでいくには、それぞれの伝統と文化に根差した教育文化支援を今後も続けていくことが重要であり、たとえそれが遠回りであっても平和への確実な歩みだと「世界難民の日」に際し、改めて確信しています。
2026年6月20日
会長
若林恭英
【動画】難民キャンプから平和を願って「難民子ども文化祭 2025」~自らの文化を大切にすること~


