2017.10.06
読み物

現地駐在ママの奮闘記

スタッフの声
ミャンマー(ビルマ)難民キャンプ

ハラゲー!
ミャンマー(ビルマ)難民事業事務所の菊池です。

今年の夏、国際協力の現場で働くことを志している学生さんたちと話をする機会が多々ありました。彼らと話す中で、自分が学生の時に思い描いていたことを思い出し、懐かしい気持ちになると同時に、今の学生さんは随分しっかりと将来の計画を立てているのだと大変感心しました。

話の中で、学生さんから現場で働きながら子育てするのは大変ではないですか?とよく聞かれます。たしかに、私自身、自分が経験するまでは、現場で子育てなんて考えたこともなかったですし、実際どうなの?って気になる方がいらっしゃるかもしれません。今日のブログは、事業とは関係ない個人的な子育て奮闘記ですが、お時間があったらご覧ください。

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私は、2016年7月にタイのメーソットで出産しました。主人はミャンマー人(シャン族)で、私も主人も家族がタイにいないので、子どもが生まれてから、周囲のサポートも受けながら、二人三脚で子育てしてきました。

私は2か月の産休後、主人と相談して、平日は私が働き、週末は主人が働くということで合意し、仕事に戻りました(ただ、そんなに物事はうまくいかず、結局後で専業主夫になることになりました)。メーソットで働きながら子育てしているタイ人や外国人を見てみると、ナニー(ベビーシッター)を雇っている人が多いのですが(数か月の赤ちゃんから面倒を見てくれる保育所はありません)、国境の治安を考えると、他人に預けるのが心配という主人の意向とナニーを雇う費用を考慮し、このような形になりました。

どこでも同じだと思いますが、仕事と育児の両立には、家族、職場、周りの理解・サポートが必要です!

私の場合、日中働き、家に帰ってから育児が待っていて、特に最初の数か月は、夜、子どもに合わせて何度も起きることになるのであまり寝られず、翌日ゾンビのようになっていることが結構ありました。ゾンビになろうが、次の日には仕事が待っていて、難民キャンプに早朝に向かうこともあったため、仕事の量やペースを考慮してくれる職場の理解や助けが必要でした。特に最初の数か月は、本当に、気力と体力の勝負でした。また、母乳で子育てをしていたので、職場はもちろん、難民キャンプ出張時にも搾乳機を持って出かけ、搾乳後、袋に入れた母乳をアイスボックスに入れて持ち歩いていました。ちなみに、私以外にNGO職員として難民キャンプで働いているタイ人やミャンマー人のお母さんたちも同様で、難民キャンプの中で、搾乳できる場所を見つけ、暑い中、汗を流しながら一緒に搾乳することもありました(笑)。現地事務所には、こうした時間を作ること、環境を作ることも柔軟に対応してもらい、本当に助かりました。今は、仕事のペースをつかみ、定時には仕事を切り上げて、家に帰ってからは家事と子どもとの時間に集中できるようになりました。

こうして私が仕事に専念できるのは、職場の理解はもちろんですが、何より日中子どもの面倒を見てくれている主人のおかげだと思っています。子どもが6か月を過ぎて、難民キャンプへの泊りがけの出張が増えてくる中で、日夜子どもの面倒を見ていた主人は本当に大変な思いをしていました。夜、子どもが泣き止まず、何度も出張先に電話がかかってきたり、喧嘩したりしたこともありましたが、それでも今でも日中子育て、家事を担ってくれている主人には頭が上がりません。

こうして日々奮闘しながら育ててきた息子は1歳3か月になりました。私は日本語、主人はシャン語(タイ語に似ている)で話しかけていますが、今のところ話す言葉は、ママ、パパ、ブーブー(車)、ボーボー(ボール)、ヘッド(頭)です・・・。ただ、聞く力はついてきているようで、私や主人がそれぞれの言語で促すと、手をたたいたり、手を合わせて挨拶したり、指をさしたりできるようになってきました。また、絵本も生後数か月から読みきかせを始めたのですが、今ではすっかり絵本が大好きで、特に動物の絵を見ると、ものすごく喜んでいます。子どもの成長は私に何よりも力を与えてくれます。

今後の主な課題は、主人のキャリアとの折り合い、子どもの教育です。今は、主人は子育てを全面的にサポートしてくれていますが、彼も仕事に戻りたいと希望しており、ミャンマーのシャン州で教育支援活動に携わることが彼の長年の夢でもあるので、私自身、それは是非実現してほしいと思っています。そうなってくると子育てはどうするのか、家族はどうなるのか、さらに子どもの今後の教育も考慮するとどうしていくべきなのか、悩みは尽きません。

国際協力の道でキャリアを築くにあたって、家族を含め、周りの理解は本当に大事だと思います。それと同時に、自分のことばかりを優先せず、家族のことも考えながら、自分たちにあった家族の形、子育ての形を作っていくことが大事だなと感じています。

これからも、仕事に子育てに奮闘する日々は続いていきますが、皆様には温かい目で見守っていただけますと幸いです。今回のブログは私の独り言ですが(笑)、ミャンマー(ビルマ)難民事業へのご支援もよろしくお願いします!

ミャンマー(ビルマ)難民事業事務所 菊池