2023.04.18
読み物

【寄稿】神戸での支援経験を源流に

ニュースレター
人びとの声
国内事業
連載企画

年2回発行しているニュースレター「シャンティ」に寄稿いただいたシャンティと深く関わりのある方からの記事をご紹介します。

減災と男女共同参画 研修推進センター 共同代表
早稲田大学地域社会と危機管理研究所 招聘研究員
浅野幸子

神戸での支援経験を源流に

シャンティ国際ボランティア会との関わりは、1995年1月に起きた阪神・淡路大震災の時からでした。当時は学生でしたが、東京・浅草育ちで関東大震災について学ぶことも多く、被災地の様子が気になってボランティアに参加したいと、新聞で見かけた曹洞宗国際ボランティア会(当時名称。現シャンティ)の災害支援ボランティア募集に応募し、3月初旬に現地に入りました。
最初は、在宅で過ごされている方への支援情報提供、仮設住宅の支援、そして大半が全焼してしまった下町のある地区の復興まちづくり支援と、現地で4年間活動しました。
災害や紛争は、人から多くのものを奪ってしまいます。生活の立て直しの中で、町の将来への不安も抱えるみなさんと一緒に、離散してしまった住民が集まる機会づくりも兼ね、慰霊祭、夏祭り、餅つきなどのイベントを行い、復興まちづくりの会合にも伴走させていただきました。


1995年神戸市でボランティアの方との打ち合わせ

そこで感じたのは、被災地のみなさんの力です。地域活動経験の蓄積、それらを通したつながり、仕事や家庭での経験によるスキルが生かされるよう、黒子に徹することを心掛けました。
なお、私は現在、国内でジェンダー・多様性の視点を入れた防災対策の推進、特に、地域コミュニティレベルでの取り組みを支援しています。その私の中の源流の一つが、神戸での支援経験です。ハード・ソフト両面の復興まちづくりで、女性たちが重要な役割を果たしているにもかかわらず、そこに焦点を当てた支援がなかったため、活動しやすい環境づくりの一環で、女性中心のグループの立ち上げをお手伝いしました。
しかし、ジェンダー視点を入れたコミュニティ支援は、開発援助領域のほうがずっと進んでいるようです。シャンティ国際ボランティア会は、国内外双方に草の根の活動・支援者のネットワークがあるので、その経験をより一層生かしていけたら素晴らしいなと思います。

本寄稿記事とニュースレターについて

本記事は、シャンティが発行するニュースレター「シャンティVol.316 (2022年11月号)」に掲載した巻末言「道」の内容を元に再編集したものです。※ニュースレター「シャンティ」年2回発行し、会員、アジアの図書館サポーターに最新号を郵送でお届けしています。

シャンティは、子どもたちへ学びの場を届け、必要としている人たちへ教育文化支援を届けています。引き続き、必要な人へ必要な支援を届けられるよう、月々1,000円から継続的に寄付してくださるアジアの図書館サポーターを募集しています。