2023.05.27
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世界の絵本を読んでみよう「りこうな子ヒツジ」アフガニスタン

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シャンティ国際ボランティア会は、良質な本が少ないアジア各国・各地域で独自に制作した絵本を出版しています。子どもたちに質の高い絵本を提供できるよう、現地の作家やイラストレーターを対象とした専門家による研修を実施したり、少数民族たちに口頭で伝承されてきた民話などを絵本にまとめる活動を行っています。

今回は、2009年にアフガニスタンで出版した絵本「りこうな子ヒツジ」をご紹介します。


『りこうな子ヒツジ』表紙

1.ある日、羊飼いは野原にヒツジの群れを連れて行きました。すると突然、妊娠中のヒツジは苦しみはじめ、かわいらしい子ヒツジが生まれました。
しかし、お母さんヒツジは、子ヒツジを産むと死んでしまい、羊飼いはそれに気づかずに、群れとともに去ってしまいました。

2.しばらくすると、死んだお母さんヒツジと子ヒツジのところに、灰色のオオカミが来て、ヒツジたちを食べようとしました。そこへ若い猟師が現れ、銃を撃つと、オオカミは逃げていきました。

3.猟師は家に帰り、奥さんに何があったかを話して、お母さんヒツジを亡くした子ヒツジの面倒をよく見るように頼みました。

4.1年たつと、子ヒツジは大きくなりました。猟師と奥さんは、子ヒツジを眺めてはとても喜び、「子ヒツジは十分大きくなった。冬に殺して食べるのにちょうどいい」と言って、子ヒツジを殺そうとしました。
すると、子ヒツジは猟師に、「話を聞いてほしい」とお願いしました。

5.「あなたたちとあのオオカミでは、どこが違うのでしょう。私が小さいとき、あなたは私を救ってくれました。でも今は、私を殺そうとしています。あなたはオオカミと同じです!」。ヒツジは涙を流しながら言いました。

6.これを聞いた猟師は、自分の行いを悔い、子ヒツジを殺すのをやめました。こうして子ヒツジは、他のヒツジたちと一緒に暮らしていきました。

 


「世界の絵本を読んでみよう」シリーズ

本記事は、シャンティが発行するニュースレター「シャンティVol.316 (2022年11月号)」に掲載した内容を元に再編集したものです。

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