2026.05.29
絵本を届ける運動

「絵本を届ける運動」スタッフが選ぶおすすめ絵本(2026年度収集絵本より)

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絵本

こんにちは。昨年の秋より「絵本を届ける運動」インターンシップに参加してきましたムカルジーと申します。私はこれまで、日本語教師としても働いており、都立高校や日本語学校、専門学校などで日本語を教えてきました。授業では言語だけでなく、文化についても幅広く扱っています。

学生が興味を持つ日本文化は、アニメやゲームだけではありません。「掃除の文化」もその一つです。学生によると、小学校に「掃除の時間」があることはとても珍しいそうです。「自分の場所」をきれいにすることには誰もが一生懸命取り組みます。では、「みんなの場所」はどうでしょうか。「環境問題」は、学生たちとたくさん話し合ってきたテーマの一つです。

さて、今回は前回おすすめした『きつねのおきゃくさま』に引き続き、2026年度に収集予定の絵本の中から、新たに私のおすすめの一冊をご紹介します。

『ポリぶくろ、1まい、すてた(文:ミランダ・ポール、絵:エリザベス・ズーノン、訳:藤田千枝、出版社:さ・え・ら書房)

便利で安価なポリ袋。しかし、ひとたび地面に捨てられてしまえば、土に帰ることはありません。捨てられた1枚のポリ袋は、やがて2枚になり、10枚になり、100枚に……。気がつくと、ゴミの山からしみ出した汚れた水たまりには虫たちが集まり、袋を食べたヤギがたくさん死んでいます。かつてきれいだった村の姿は、もうどこにもありません。

この絵本は、アフリカのガンビアという国にある小さな村・ンジャウに住む実在の女性、アイサト・シーセイが、失われた美しい村を取り戻すために、仲間とともにポリ袋のリサイクルに取り組む物語です。

この物語を読んで思い出すのは、私の故郷の川のことです。かつては、市内の生活排水が無遠慮に流れ込み、「汚い、臭い、遊べない」――そんな“死の川”でした。あるとき台風によって川が氾濫し、周辺の町は汚染された水に浸かり、病気が広がりました。そこから少しずつ、川を浄化する取り組みが始まっていきました。汚れた川を天の川のように美しくしたいという願いを込めて、七夕には大掃除が行われています。最近では、子どもたちが川の近くで遊ぶ光景も見られるようになり、生き物もたくさん戻ってきました。

ごみ問題はどの国にとっても深刻な課題ですが、その解決は小さな一歩から始まります。この絵本は、そのことを私たちに教えてくれます。一枚の捨てられたポリ袋を財布に作り変えたアイサトさんの行動から、ぜひ子どもたちとともに世界の環境問題について考えてみていただけたらと思います。

シャンティ国際ボランティア会では、「絵本を届ける運動」を通じて、日本の絵本を翻訳し、カンボジアやラオス、ミャンマー、ミャンマー(ビルマ)難民キャンプの子どもたちへ届けています。届ける作品は毎年、現地のニーズや声を丁寧にくみ取りながら選ばれています。さらに、単に絵本を届けるだけでなく、現地の図書館員を対象とした読み聞かせの研修も実施し、子どもたちと絵本を結びつける環境づくりにも力を注いでいます。

これから広い世界へと歩み出していく子どもたちにとって、心を照らす一冊の絵本は、かけがえのない学びの入り口となります。より多くの子どもたちにその機会を届けるため、ぜひこの活動に参加してみませんか。ご関心をお持ちの方は、ぜひ以下よりお申し込みください。

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「絵本を届ける運動」担当 ムカルジー