【インドネシア・スラウェシ島地震】緊急救援物資の配布を開始
シャンティ国際ボランティア会(会長 若林恭英/所在地 東京都新宿区)は、2018年9月28日にインドネシア、中スラウェシ州のドンガラ市北東約27kmで発生したマグニチュード7.5の地震の緊急救援活動を行っています。
10月23日、海外緊急救援担当の竹内海人、栗本愛が最も大きな被害が報告されている被災地パルに到着し、現地のカウンターパートNGOと共に現状調査を開始しました。
支援が届かず、取り残されている人々
現地調査を通して、発災当時の状況や支援から取り残されている人々の苦境が明らかになりました。
一時、交通や通信が停止していた震源地ドンガラと、震源地から離れているけれど地盤が弱いシギという地域での家屋の全壊といった深刻な被害が出ているものの、あまり報道されず、支援も届いていない状況です。
ミルダさんは、被災者でありカウンターパート団体のボランティアとして活動しています。
彼女は、突然の大きな揺れに驚き、何も持たないままに、避難したそうです。その後、政府からの物資配布が開始された際に、身分証明書を持っていなかった彼女は今も支援を受け取ることができずにいます。
(写真:被災地スラウェシ島シギの様子)
シャンティは、ミルダさんのような世帯に対して、11月よりお米を含めた食糧や衛生用品、特に女性や子どもが必要なベビー用品を含む物資配布を行う予定です。
【配布予定物資一覧(1世帯あたり)】
・米(3キログラム)
・ココナッツオイル(1リットル)
・野菜
・入浴用品
・タオル
・洗濯洗剤(150グラム)
・ベビー用品
・薄い毛布
・蚊帳
・テント
・テント用ロープ
(写真:被災した子どもたちへの聞き取り調査)
シギで被災しながら村のボランティアに加わっているシングルマザーの女性
夫からの暴力が原因で離婚した彼女は、シングルマザーとして2人の子どもたちを育てています。
今回の地震で被災しましたが、彼女の家族は物資配布対象者の名簿に記載されていないため、物資をもらえないそうです。また、物資配布現場では、力の強い男性が時として暴力をふるいながら、我先にと、物資を取っていくという話を聞いたため、シングルマザーの自分には手に入れることができないだろうとも話していました。
現在、彼女は政府から500gのお米を受け取っていますが、全く足りないため、バイクで町まで往復3~4時間かけて買いに行っても、持ち帰ることのできるお米は少量のため満足に主食のお米を食べることができません。
激しい雷雨の中、ビニールシートと竹で作ったテントの中で暮らす避難民
雨季が本格的になってきたインドネシアで、派遣中のシャンティ職員も激しい雷雨を経験しました。12月と1月には例年、降雨量月平均250㎜を越える、現在よりさらに激しい雨がふると予想されます。そのような中、避難者の多くがターポリンと呼ばれるビニールシートを、自分たちで編んだ竹の骨組みにかけて、テントを作り、その中で生活しています。それで雷雨をしのいでいる避難者もいるのですが、そのビニールシート自体も足りておらず、ドンガラの村では、600世帯に対して100世帯分しかテントがないのが現状です。
しかし、壊滅的な被害に見舞われた村もあり、シギのある村では、多くの家屋が損傷し、120家族329人の村民のうち約200人が避難生活を送っています。
(写真:被災者が暮らすテントの中)
インドネシア地震 関連ページ
■プレスリリース
・【12/12】1,200世帯に緊急救援物資を配布しました
・【12/10】緊急救援物資配布報告
・【11/21】多くの村人がテント生活。救援物資の受取でサインできない人も。
・【11/15】発災から一カ月半 トラウマのケアなど課題が山積
・【11/01】緊急救援物資の配布を開始
・【10/26】海外緊急救援担当職員が到着、現地で支援活動を開始
・【10/22】海外緊急救援担当職員を現地に派遣しました
・【10/04】支援活動を開始します
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