2020.12.27
読み物

【寄稿】生活協同組合とシャンティ(中村紀子)

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連載企画

年4回発行しているニュースレター「シャンティ」に寄稿いただいたシャンティと深く関わりのある方からの記事をご紹介します。

シャンティ国際ボランティア会 理事
中村紀子 東京都消費者月間実行委員会 事務局長

生協とシャンティの共通点

私は生活協同組合で理事をしていました。生協もシャンティも『平和』『災害支援』という共通する行動目標がありました。
生協は組合員一人ひとりが出資者となり、「みんなは一人のために、一人はみんなのために」組合員の願いや意見を取り入れて運営される組織です。「平和なくして生協なし」という言葉もあります。また、全国に広がる生協は、国内の災害発生時には物資や人材における支援を惜しみません。

被災地での移動図書館活動に参加

シャンティをよく知るところとなったのは、生協で開催するコンサートで音楽家と平和活動団体のトークを企画し、シャンティから鎌倉幸子さん(当時:職員、現:専門アドバイザー)に来ていただいたのがきっかけです。鎌倉さんが語る「本の力」に心を打たれました。その後、東日本大震災が発災、鎌倉さんが移動図書館車の準備に東北に入り、事務所設立に奔走していました。まだ、支援物資を届けるのに夢中で、本など眼中になかったころです。そして、仮設の生活が落ち着いてきて本が読みたいと思う頃、ちょうど移動図書館車の運行が始まったのです。

生協の理事を退任した後、移動図書館車のボランティアのため3日間、岩手事務所にお世話になりました。仮設住宅に移動図書館車を寄せ、テーブルとイス、コンテナに入った本を並べ、コーヒーやお茶の用意をします。本を借りる人、返す人、お茶を飲みに来る人。何気ないおしゃべりの中で「こんなことになるならいっそ地震の時にあの世に行ってしまえばよかった」という言葉を聞いてしまうこともありました。

寄稿者写真
仮設住宅を移動図書館車で訪問した時の筆者

開かれた組織であれ

生協とシャンティはよく似ていると思うことがあります。どちらの組織も歴史があり、理念があり、個々の願いが強いのです。組織としては強く結びついているのが強みでもあるのですが、思いが強い組織ほど内向きになってしまいがちです。つながりあいながらも開かれた組織であり続けましょう。

本寄稿記事とニュースレターについて

本記事は、シャンティが発行するニュースレター「シャンティVol.296 (2018年夏号)」に掲載した巻末言「道」の内容を元に再編集したものです。※ニュースレター「シャンティ」は年4回発行し、会員、アジアの図書館サポーターに最新号を郵送でお届けしています。

シャンティは、子どもたちへ学びの場を届け、必要としている人たちへ教育文化支援を届けています。引き続き、必要な人へ必要な支援を届けられるよう、月々1,000円から継続的に寄付してくださる「アジアの図書館サポーター」を募集しています。