2020.10.22
読み物

【寄稿】こころを寄せる(竹俣昭孝)

ニュースレター
人びとの声
連載企画

年4回発行しているニュースレター「シャンティ」に寄稿いただいたシャンティと深く関わりのある方からの記事をご紹介します。

 

シャンティ国際ボランティア会 理事
竹俣昭孝 東京都・大林院 住職

シャンティとのかかわり

シャンティの活動については、曹洞宗の宗門寺院におりますので、以前から梅花大会等で聞く機会がありました。東南アジアの人々の教育支援、文化支援。そして、国内においても阪神・淡路大震災、東日本大震災の被災地においての活動の様子を聞くにつけ、何かできることはないだろうかと、クラフトエイドの商品を購入したり、檀信徒の皆さんに声をかけ募金をしたり、微力ながら協力をさせていただいておりました。しかしながら、実際には私が理解していたことは表面的なことで、まだまだ私のように多くを理解していない方も多いと思います。

 

こころを寄せて、生きる

シャンティの精神「共に生き、共に学ぶ」の「共に」とは「こころを寄せる」ことです。「こころを寄せる」すなわち私たちは一人では生きていけない。生かされていることを自覚し、感謝のこころ、慈しみのこころを持つこと。
お釈迦さまは「四摂法」という教えをお説きになっています。

「布施」ものでもこころでも惜しみなく他に与える、「愛語」やさしい言葉をかける、「利行」ためになることをする、「同事」自分と相手と一つになる。

日々の生活に追われ、あくせくと前ばかりをみて進んでいく。余裕がなく自分にとって「必要、不必要」そんなことで何事も区別しているこの時代。私たち一人ひとりが、どれだけ他に目を向けられるか、シャンティ(平和)な生き方を目指し、「四摂法」の教えの実践を心がけたいものです。

托鉢③
ラオス・ルアンパバーンでの托鉢の様子(2017年撮影)

 

マザーテレサの言葉に「私たちはちいさなことしかできません。小さなことを大きな愛でするだけです」とあります。一人の支援は小さなことかもしれませんが、国内外において期待されているシャンティの活動を応援する人たちが一人でも多く、大きな力となるよう、それぞれの立場から、どんなところからでも発信していきましょう。

 

本寄稿記事とニュースレターについて

本記事は、シャンティが発行するニュースレター「シャンティVol.303 (2020年冬号)」に掲載した巻末言「道」の内容を元に再編集したものです。※ニュースレター「シャンティは年4回発行し、会員、アジアの図書館サポーターに最新号を郵送でお届けしています。

シャンティは、子どもたちへ学びの場を届け、必要としている人たちへ教育文化支援を届けています。引き続き、必要な人へ必要な支援を届けられるよう、月々1,000円から継続的に寄付してくださる「アジアの図書館サポーター」を募集しています。