絵本タイトルはどう決まる?選書の流れをご紹介します
いつもご支援をいただき、ありがとうございます。
さて、「絵本を届ける運動」について、「今年の絵本タイトルはどのように選ばれたのですか?」と、ご質問いただくことがよくあります。
時間の関係で、普段はなかなか丁寧にご説明することができないため、
今回は、「絵本を届ける運動」で行っている選書について、1年を通した流れをご紹介します。
■簡単な選書の流れ
まずは簡単な選書の流れをご紹介します。
①現地のリクエストにそって、専門家のご協力のもと、約100タイトルの候補絵本を選びます。
②「シールの作成が可能か」、「活動地になじみのある内容か」、「翻訳の難易度が高すぎないか」、などのポイントを確認します。
③出版社に在庫状況や著作権許諾について確認します。
④活動地に候補タイトルを提案します。
⑤活動地側で最終的な選書が行われ、タイトルが決定します。
■絵本リストのご紹介
「絵本を届ける運動」では、25年間で352タイトルの絵本を届けてきました。
2026年度は、36タイトルの絵本を
カンボジア、ラオス、タイの難民キャンプ、ミャンマーに
クメール語、ラオス語、カレン語、ビルマ語で届けます。
リストをご覧いただくこと、
「いわゆるロングセラー絵本が少ない」と感じられるかも知れません。
日本国内だけでなく、多言語に翻訳され、世界中で人気の絵本には普遍的なテーマが多く、
シャンティの活動地でも、これまで多く届けてきています。
一方で、児童書が不足する活動地で手に入りにくい内容の絵本は、
新刊・ロングセラーに関わらず、選書しています。

■現地のからのリクエストを大切に
選書の出発点となるのは、毎年、海外事務所から届くリクエストです。
・実施している活動内容
・子どもたちの年齢
・文化的背景
によって、活動地によってリクエスト内容は違ってきます。
下記は、複数の活動地から希望があったテーマ(一部)です。
・読み聞かせできるおばけやモンスターなど怖い話
・感情や気持ちに向き合える絵本
・自然や環境に関する絵本
・様々な文化に触れられる多文化絵本
・運動や体を動かすことについての絵本
これら以外にも20以上のテーマがあがりました。

イラスト:きよはらえみこ
■専門家の皆さまと進める選書
次に、専門家の方にご協力いただいて、
約半年間、次年度の候補となる絵本を選んでいきます。
2026年度の絵本は、おもに子どもの本の編集者・横川浩子さんと図書館員の有志の方々にお手伝いいただきました。
・図書館員の有志の方々のご協力
事前にお知らせした希望テーマに沿って、図書館さんがおすすめの絵本を持ちより、プレゼンテーションをしてくださいます。
図書館での読み聞かせのエピソードや、作家さんの想いなども交えた紹介はまるでビブリオバトルのようです。
「海外の子どもたちはイメージしづらいかも」
「ページ数が多すぎてシールを貼る方が大変そう」
など、海外支援ならでは、「絵本を届ける運動」ならではの視点で職員も意見を出しながら、候補を絞っていきます。
選書会の様子(神保町・児童書専門店にて)
「読み聞かせ向けの面白い話」というリクエストから

『なんでもふたつ』リリィ・トイ・ホン 作・絵 / せきみふゆ 訳 評論社
「平和」というリクエストから

他にも、自然科学絵本の『みつけた!こんちゅう』(教育画劇)、『かみなり』(岩崎書店)やユーモアたっぷりの『うそだあ!』(文溪堂)など、
多くの絵本が図書館員さんのおすすめから選ばれたタイトルです。
・編集者の横川浩子さんのご協力
横川さんは絵本、児童文学、翻訳など幅広い作品をこれまで手掛けてこられ、海外作品にも精通されています。
現在は、児童書編集のお仕事のかたわら、さまざまな背景を持つ子どもたちが母語で絵本を楽しめるように多言語絵本の普及活動にも携わっていらっしゃいます。
「自然・環境保護」というリクエストから

『ワンガリの平和の木』作/ジャネット・ウィンター 訳/福本友美子 BL出版
「多文化理解」というリクエストから

『ようこそ!ここはみんなのがっこうだよ』アレクザーンドラ・ペンフォールド/作 スーザン・カウフマン/絵 吉上恭太/訳 鈴木出版
他にも、毎年人気の動物絵本『うしろにいるのだあれ』(幻冬舎)や楽しく体を動かせる『パンダなりきりたいそう』(講談社)も、
横川さんから提案いただきました。
・出版社のご協力
活動にご理解いただいている出版社さんにも、おすすめ絵本をご紹介いただいています。
「おばけ・モンスター」というリクエストから
『おばけだじょ』さく tupera tupera
(Gakkenのご担当者さまからのご紹介)
■このように多くの方のご協力を得ながら、選書を行っています。
2026年5月現在、2027年度の絵本タイトルについても、ほぼ選書が終了しました。
今年は、金城学院大学・現代子ども教育学科の日比野准教授をはじめ、同学科の教員および学生の皆さまにも選書にご協力いただきました。
12月から新年度のお申込受付を開始する予定ですので、どんな絵本が新しく加わるか楽しみにしていただけますと幸いです。
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