アフガニスタン

教育機会が制限された状況下において、子どもたちが安心して学び、絵本に触れられる環境をつくっています。

活動の背景

政変後、中等教育以上の女子が学校に通えない状況が続いており、
未だ13歳以上の女の子は学ぶ機会を失い、教育を受けられずにいます。
また、小学校を卒業できる男子は67%、女子は40%と、
女の子の半分以上が小学校を卒業できません。
更に約4割の学校では、テントや屋外で授業を受けている子どもたちも多く、
成人識字率は37%(男性:52%(2021年)、女性:27%(2022年))にとどまっています。
現在アフガニスタンでは、推定370万人の子どもが学校に通っておらず、
そのうち60%が女の子だとされています。

活動内容

アフガニスタンでは、2018年時点で約1万8,000の学校がありますが、校舎がある学校は約半数です。
また、学校図書室を保有する学校は1割程度(2015年時点)です。

子どものための図書館普及にむけた基盤整備事業

当会は、アフガニスタンの小学校や各地区の公共図書館において図書館活動を普及するため、家具の設置等の環境整備だけでなく、図書館運営ガイドラインの作成やモデル学校図書館の設置、教員研修、図書館員育成研修、移動図書館活動を行っています。
また、学校に通えない子どもも利用できる学校外での児童サービスを提供するため、「子ども図書館」を運営しています。開館日には、一日約170人の子どもたちが来館し、図書の閲覧・貸出といった図書サービスを利用しています。そのほかにも図書館員による読み聞かせ、縫製教室、お絵かき、工作、特別学習教室(教科の補習授業)といった活動を時間割に従って開催しています。
当会では、このような図書館活動を継続して行い、学校に通えない子どもたちや教育を受けられない女の子たちに学びの機会を提供していきます。

アフガニスタン緊急人道支援

2001年に起こった同時多発テロ後のアフガニスタン空爆後に、食料配布を中心とした緊急救援を実施したことを契機に20年間様々な緊急救援プロジェクトを行ってきました。最近では災害時の対応(2023年西部ヘラート地震)・生活困窮者や国内避難民/帰還民への食料配布および越冬支援など、様々な形で緊急人道支援事業を行っています。

子どもの教育アクセス改善のための仮設教室建設事業

アフガニスタン東部における山岳地では未だ校舎や教室数が少なく、不就学児童の多い地域があります。一方、学校を有する地域では、教室が飽和状態となり青空教室での授業や水衛生の整備の遅れ等が見られるのが現状です。そこで、小学校1校を対象に4つの仮設教室の増設を行い、主に子どもの教育へのアクセス改善を目指します。

これまでの活動内容

2001年に起こった同時多発テロ後のアフガニスタン空爆を機に、
食料配布を中心とした緊急救援を実施し、
その後もアフガニスタンの復興のため教育文化支援活動を行っています。

学校建設事業
野外での勉強を強いられている子どもたちが安心して勉強できるように校舎の建設を行っています。図書館も併設され、絵本配布や教員研修も行いました。
帰還民への食糧・衛生用品配布事業
強制的な帰還を余儀なくされた帰還民の人々に対して、食料や衛生用品の配布を行っています。

アフガニスタンブログ

アフガニスタンに関連する記事をお届けします。

学校建設事業

野外での勉強を強いられている子どもたちが安心して勉強できるように校舎の建設を行っています。図書館も併設され、絵本配布や教員研修も行いました。完成後教員・児童用の机・椅子などの備品を供与し、教員、児童、教育省職員、地域の人びとを招いて竣工式を開催しました。完成した校舎で、教員を対象に校舎の維持管理研修を行いました。

帰還民への食糧・衛生用品配布事業

 アフガニスタンでは、周辺国に避難したのち、避難先の国の政策等により強制送還の対象となった帰還民の人々がいます。約43万人(2024年11月30日時点)のパキスタンからの帰還民のうち、67%が東部ナンガハル県のトルハム国境地帯よりアフガニスタンに入国しています。
本事業では、ナンガハル県内のソルクロッド地区を対象として、着の身着のまま帰還せざるを得なかった680世帯(4,760人/一世帯7人)に対して、緊急人道支援物資として約3ヵ月分の食料及び石けん等の衛生用品の配布を実施しました。