ネパール

震災被害を受けた学校での復興支援を経て、格差是正を目指した教育の質改善を行っています。

活動の背景

国土の大半が標高1,000m以上の丘陵地で産業に乏しく、
出稼ぎ労働者からの送金が国民所得の30%を占めています。
経済的な理由で農業や児童労働に従事せざるを得ない子どもの中途退学が深刻です。
71.3%の子どもしか小学校を卒業できていません。

活動内容

2016年、カトマンズに事務所を開設し、学校建設と防災教育事業に取り組んできました。
2020年からは、学校内、学校外、双方の教育の質を向上するため、3つの教育事業に取り組んでいます。

コミュニティ図書館能力強化事業

成人識字率が66%にとどまっているネパールで、住民によって自主的に運営されているコミュニティ図書館は、貴重な学校外の成人が学習できる場となっています。シャンティはコミュニティ図書館を再建します。コミュニティ図書館には図書室だけでなく、子どもの部屋や女性や若者の部屋、研修室やコンピューター室を整備します。また、図書館を運営する住民組織や図書館員の能力強化のため、研修を実施します。開館後、老若男女の住民に対し、絵本の読み聞かせや読書感想文のコンテスト、パソコン教室、女性や若者のエンパワーメントを目的とするリーダーシップ研修などの学習機会を提供します。

先住民族地域における地域学習のカリキュラムの開発・普及事業

ネパールでは、2015年に多様性と地方分権を盛り込んだ新憲法が制定されました。それに伴い、教育カリキュラムも刷新され、新しく地域学習という科目が時間割に組み込まれました。この科目では、日本の総合的な学習の時間と同様に、グループワークやディスカッション、フィールドワークなど、子どもたちが主体的に、自分たちが暮らす地域について学びます。しかし、ほとんどの自治体では資金と人材の不足のため、地域学習のカリキュラムが考えることができず、地域学習の授業は実施されていません。事業対象地であるマクワンプル郡ラクシラン農村自治体は、先住民族が多く、児童の学校への出席率が全国平均と比べて、とても低いことが問題になっています。本事業では、教員を対象とした児童中心の教授法の研修や、地域学習科目の教科書や教員用手引き、教材の開発を行います。これらの活動を通して、教員の教授法が向上することで、教育の質が改善することを目指します。

国連世界食糧計画(WFP)連携 学校給食改善事業(栄養教育活動)

ネパールでは、急速な近代化と共に、ジャンクフードなどの不健康な食事による子どもの栄養不足と肥満が同時に問題になっています。食糧問題を扱う国連機関である世界食糧計画(WFP)が給食の調理場の整備や自治体の能力強化などを行う学校給食改善事業を、ヌワコット郡で実施しています。シャンティはこれまで同地域で防災教育を行ってきた知見と教育分野での専門性を活かして、本事業の栄養教育に関する活動を担います。栄養教育に関する紙芝居を製作しています。また、教員への栄養教育研修などを行います。WFP事業全体で、地域の食材や物資、人材を活用した地産地消の給食を学校や行政が提供できるようになることで、栄養バランスの整った食事を通して、子どもたちが心身ともに健やかに成長することを目指しています。

これまでの活動内容

2015年4月25日、M7.8の地震が首都カトマンズの北西約81kmで発生し、
死者8,900人、全壊家屋60万戸、半壊家屋27万戸にのぼり、7,753校の校舎が被害を受けました。
そのネパールでシャンティは、2016年末まで緊急救援活動を実施してきました。

学校建設
9校の学校で倒壊した校舎の再建を50教室行いました。すべて復興庁のデザインに準じた耐震構造の校舎です。
読書推進と防災教育の実践
各教室に年齢別の100冊の本を配架した、図書コーナーを38校に設置しました。ネパールの状況に合わせた防災をテーマとする、紙芝居を6タイトル制作しました。
防災計画の策定
教員、学校運営委員会を対象に防災知識と学校防災計画についての研修を実施し、災害時の避難経路や各教員の役割を示した学校防災計画が36校でできました。
保護者・住民の防災に対する理解の向上
児童が地域を歩き、災害時に危険な場所や安全な場所を見つけたり、村人から地震の際の話を聞いたりしました。

スタッフ紹介

ネパールで働くスタッフを紹介します。

ネパール事務所長
三宅 隆史
コーディネーター
ビノッド・ダス・グルン(ビノッド)
総務、ロジ
エキナ・マナンダル(エキナ)
プロジェクトコーディネーター
ガネシュ・クマル・ラマ(ガネシュ)
アシスタント・コーディネーター
ナワール・キソール・バドゥ(ナワール)
総務・会計アシスタント
プラジュ・シュレスタ (プラジュ)
クリーナー
ビンドラ・プラサード・チョウラガイン(ビンドラ)
ドライバー
プレム・クマール・リンブー(プレム)
学校建設

9校の学校で倒壊した校舎の再建を50教室行いました。すべて復興庁のデザインに準じた耐震構造の校舎です。またドアを教室の内側から開閉できるなど、避難時を想定した防災の視点を設計に取り入れました。校舎を再建した9校はすべて遠隔地にあり、支援を受けることが難しい学校でした。9校の児童数は事業開始前の887名から1,118名へと26%増加しました。

読書推進と防災教育の実践

各教室に年齢別の100冊の本を配架した、図書コーナーを38校に設置しました。ネパールの状況に合わせた防災をテーマとする、紙芝居を6タイトル制作しました。図書コーナーの運営や絵本の読み聞かせ、紙芝居の演じ方についての研修を行った上で80の小学校や図書館に配布しました。紙芝居はネパールにもともとなく、ネパールで初めての紙芝居となりました。

防災計画の策定

教員、学校運営委員会を対象に防災知識と学校防災計画についての研修を実施し、災害時の避難経路や各教員の役割を示した学校防災計画が36校でできました。防災計画に基づいて各学校で定期的に避難訓練が行われています。

保護者・住民の防災に対する理解の向上

児童が地域を歩き、災害時に危険な場所や安全な場所を見つけたり、村人から地震の際の話を聞いたりしました。教室に戻って、地域の防災マップを作成しました。児童や保護者・住民を対象に防災マップの発表会を行いました。