タイ

図書館活動や奨学金事業を実施するシーカー・アジア財団を設立し、現地法人として活動を継続しています。

活動の背景

タイでは、2009年より就学前教育から高校までの15年間の
無償教育制度が導入されていますが、学校現場では運営資金が不足し、
保護者からの追加徴収をせざるを得ない状況です。
経済力の弱い地方や、スラムに住む保護者に負担がかかっています。
また、都市と地方の教育格差も大きな課題です。

活動内容

1980年代から活動を行ってきたタイでは、1991年に現地法人シーカー・アジア財団を設立し、タイのスラムや農村、
少数民族や移民労働者など、弱い立場に置かれた人々に寄り添ってきました。
その間、タイは経済発展が進みましたが、スラムや農村での貧困、教育問題はいまだ続いています。
この課題に取り組むため、シーカー・アジア財団は、運営だけでなく財政面でも自立した組織として、
2015年3月に財団法人シーカー・アジア財団(SAF)となりました。
タイ国内のスラム地区や山岳部など貧困層のなかでも、子どもたちや青年たちの生活の質の向上を目指して教育支援を行っています。

教育の機会改善事業(奨学金事業)

学齢期になっても家族を助けて働かなければいけなかったり、授業料、教科書代、制服代が払えない子どもたちのために、奨学金を支給しています。バンコク・スラム地域だけではなく、パヤオ県やターク県のミャンマー(ビルマ)移民の子どもたちにも奨学金を支給しています。また、各地の奨学生代表を集めて人材育成キャンプを実施し、自分の地域だけではなく、他の地域の状況を知る機会を持っています。

移動図書館活動を通した教育の質改善事業

タイで働く近隣諸国からの出稼ぎ労働者は約500万人とも言われています。バンコクにあるごみ集積場周辺では、ごみ拾いで生計を立てるミャンマー人の子どもが多くいます。また、ミャンマーとの国境地域にも多くのミャンマー移民の子どもたちが暮らしています。厳しい教育環境を強いられる移民の子どもたちのために、移動図書館車で訪問し移動図書館活動や絵本の配布など地域の読書推進に向けた活動を行っています。

これまでの活動内容

首都バンコクのスラムや農村部で、1980年代からさまざまな活動を行ってきました。
1991年に現地法人シーカー・アジア財団を設立し、現在はシーカー・アジア財団が事業を引き継いで、
タイのスラムや農村、少数民族や移民労働者など、弱い立場に置かれた人々に寄り添う活動を行っています。

バンコク・スラム地区での図書館事業
1985年からバンコク・スラム地区で図書館活動を開始し、地域の子どもたち、住民の読書推進に取り組んできました。スアンプルー図書館は隣接する保育園の図書室になり、多くの園児や親子に利用されてきました。
スマトラ沖地震・津波災害復興支援
2004年12月26日朝に起こったインドネシア・スマトラ島沖大地震による大津波で、タイでも1万3,000人が命を落としました。シャンティは3日後から現地入りし、緊急救援活動を行いました。
バーンサワイ村での開発活動
1984年に東北タイに位置するバーンサワイ村で、当時のスタッフが自宅を開放して、村人のための図書館を開設しました。
バンコク・スラム地区での図書館事業

1985年からバンコク・スラム地区で図書館活動を開始し、地域の子どもたち、住民の読書推進に取り組んできました。スアンプルー図書館は隣接する保育園の図書室になり、多くの園児や親子に利用されてきました。現在は、その運営は行政機関に移管されています。そして、20年近く運営してきたチュアパーン図書館は、行政移管するためにコミュニティ委員会と協議を行っています。

スマトラ沖地震・津波災害復興支援

2004年12月26日朝に起こったインドネシア・スマトラ島沖大地震による大津波で、タイでも1万3,000人が命を落としました。シャンティは3日後から現地入りし、緊急救援活動を行いました。
緊急救援終了後は、SAFの通常事業として常設図書館の設置、地元の保育士や教員を対象とした「おはなし研修会」などを行いました。
※復興支援活動は2007年末に終了しました。図書館運営は、現地の行政や学校、寺などに移譲されています。

バーンサワイ村での開発活動

1984年に東北タイに位置するバーンサワイ村で、当時のスタッフが自宅を開放して、村人のための図書館を開設しました。当時は「農民が本なんか読んで何になる」という反発もありましたが、次第に近隣の人々に浸透し、小学校の放課後には子どもたちでいっぱいになりました。やがて保育園、学生寮、障がい者支援なども行い、最終的には住民参加によるコミュニティ開発事業となりました。