シャンティブログ

  1. ホーム
  2. シャンティブログ
  3. 2/21は「国際母語デー」子どもたちが母語で絵本を読めるように

2/21は「国際母語デー」子どもたちが母語で絵本を読めるように

2017.2.21   東京事務所より絵本を届ける運動

突然ですが、2月21日は何の日かご存じですか?

そう、2月21日は「日刊新聞創刊の日」であり「漱石の日」なんですね。俳優の前田吟さんや要潤さん、菅田将暉さん、女優の香里奈さんなどなど、多くの芸能人の誕生日でもあるんですが・・・
2月21日はぜひ「国際母語デー」だと覚えていただけると嬉しいです。

長年、日本に住んでいる人は、日常にあふれている「日本語」を母語として強く意識する機会はあまり多くはないと思います。ですが、想像してみてください。ある日突然、慣れ親しんだ言葉にふれられなくなってしまったら・・・。

いま、世界にはおよそ7,000の言語が存在すると言われています。言語は各民族が長い歴史のなかで築いてきた文化を支えるものですが、消滅の危機にある言語も少なくありません。この状況に対しユネスコ(国連教育科学文化機関)は、2月21日を「国際母語デー」と定めました。

©Yoshifumi Kawabata

国際母語デー(International Mother Language Day)とは

国際母語デーは、ユネスコ(国際連合教育科学文化機関/UNESCO)が1999年に、文化や言語の多様性、それぞれの母語を尊重することを推進することを目的に制定しました。1952年に当時パキスタンの一部だったバングラディッシュのダッカで、ベンガル語を公用語に求めるデモで死者が出たことにちなみ、2月21日に定められました。

現在のバングラデシュは、パキスタンという地域から独立した国です。独立前は東パキスタンと呼ばれ、多くの人がベンガル語を話していました。しかし、政府は西パキスタンにあり、そこで話されていたウルドゥー語を母語にしようとする動きがありました。それに反発した東パキスタンの学生が集会などが開かれ、抗議活動を行った学生が射殺されるという事件がありました。歴史の中で初めて、母語を命をかけて守った日だったのです。

なぜ母語が大切なのか

言語の中でも、母語は一番初めに覚える言葉であり、もっとも理解できる言語で、頻繁に使用する言語です。また、母語は家族が日常的に使う言語であると同時に、各民族が長い歴史の中で築き上げてきた文化を象徴し、本人のルーツに関わる言葉でもあります。そんな母語で話したり、読む機会が失われている子どもたちがいます。

現地語で書かれた本や教科書が少なかったり、難民キャンプでは母語で書かれた本を手に入れることも難しい状況があります。特に難民キャンプで生まれ育った子どもたちは、自分のルーツにふれる機会が限られ「自分が何者であるのか」と悩むことも。母語から遠ざかることは、人間の尊厳や自尊心が失われることにつながりかねません。

©Yoshifumi Kawabata

「わたしのあかちゃん」作: 澤口 たまみ 絵: 津田真帆作 (福音館書店)

ヒトが生きていくためには、衣食住はもちろん、自分たちのアイデンティティを形成する文化や言語もとても大切なものです。それが小さい子どもだったらなおさらです。母語で読み書きができる環境は、子どもたちのアイデンティティの形成を促し、自己肯定感を育ててくれます。そんな母語で読み書きができる環境を届けるため、私たちにもできることがあります。

子どもたちが母語で絵本を読めるように

シャンティ国際ボランティア会は、さまざまなことを母語で読めるように、現地語の絵本を出版したり、日本から翻訳絵本を届ける運動などを行っています。絵本は、現地の学校や図書館、移動図書館に配架され、毎日たくさんの子どもたちに読まれています。

【シャンティによる絵本出版の様子】

絵本出版の裏側

オリジナル絵本 完成!

 

【絵本を届ける運動】

日本で出版され、国や文化、時代を超えて親しまれている絵本に、各言語の翻訳シールを貼り付け、子どもたちが母語で読める絵本となったものを届けています。絵本を届ける先はカンボジア、ラオス、ミャンマー、ミャンマー(ビルマ)難民キャンプ、アフガニスタンなどの国々です。1999年にはじまった「絵本を届ける運動」は、毎年多くの方が参加してくださり、これまでに27万冊を超える絵本を届けてきました。

©Yoshifumi Kawabata

「はらぺこあおむし」作・絵: エリック・カール 訳: もり ひさし(偕成社)

2017年カンボジア向けのクメール語の一部と、ラオス向けラオス語、アフガニスタン向けパシュトゥー語の受付を開始しました。2017年4月までにクメール語と、ビルマ語、カレン語が増える予定です。

【詳しくはこちら】 絵本を届ける運動|国内で参加できるプログラム

「国際母語デー」である2月21日は、母語の大切さや、母語が身近にある環境を子どもたちに届けるためにできることを、ぜひ考えていただけると幸いです。

  • 絵本を届ける運動
  • アジアの図書館サポーター
  • 特集:35周年特設サイト