ミャンマー

内戦状態が長期化し教育支援ニーズが高まるなか、学習環境改善のための学校建設や図書館整備、読書推進活動を行っています。

活動の背景

半世紀以上続いた軍事政権が2011年に終わり、民主化の経済発展が進む一方、
多様な民族との共存や教育改善など、課題は山積みです。
2016年にタイ・ミャンマー両政府の合意のもと、難民帰還に向けた動きが始まりました。
しかし2021年2月に非常事態が発生し、民主主義の後退、経済の停滞、内戦の長期化により避難民は増加し、
人道状況は悪化の一途を辿っています。

活動内容

読書推進や学校環境改善事業を展開しています。

僧院学校・公立学校環境改善事業

ミャンマーでは公立学校の他に寺院学校と言われる完全無償の学校が存在します。カリキュラムや学校制度は教育省の公立学校に準じており、貧困世帯の子どもたちが多く通っています。また、公立学校も無償化されより多くの子どもたちが学校に通えるようになりました。しかし、僧院学校、公立学校どちらも校舎の老朽化や教室数の不足など改築の必要があります。学校校舎の建設、図書コーナーの設置、図書の配布、教員研修を実施しています。

初等教育における読書推進事業

ミャンマーではこれまで暗記型教育が採用されてきましたが、現在大規模な教育改革が行われており児童中心型教育への転換が進められています。当会でも読書推進を通じて本教育改革が目指す、子どもたちが批判的思考などの21世紀型スキルを獲得できるよう、学校図書館の設置や児童書や図書館の活用方法を伝える研修を行っています。

児童図書出版改善事業

ミャンマー情報省によると、2011年に発行された雑誌や漫画を含む書籍は8,000タイトル以上ありますが、子ども向けの本は82タイトルのみしかありません。漫画や扉絵の入った本はありますが、質の高い絵本の種類は限られています。子どもたちに質の高い絵本を提供するため、現地の作家、イラストレーター、編集者らと児童図書出版委員会を設立し絵本や紙芝居の出版を行っています。出版した絵本は公共図書館や学校へ配布します。また、専門家による絵本出版研修を行い人材育成にも取り組んでいます。

これまでの活動内容

2014年から、シャンティが他国で行ってきた読書推進、
図書館活動の経験を活かした事業を展開しています。

ノンフォーマル教育事業
ミャンマーの小学校では、約半分の子どもが退学、学校に行ったことがない就学年齢の児童は58万人以上いると推測されています。
公共図書館改善事業
ミャンマーには国立国会図書館、大学図書館、公立図書館、コミュニティが自立して運営する村落図書館があります。公共図書館は児童サービスを行うこととされていますが、図書館員は児童サービスの研修を受けたことがなく、児童書も非常に少ない状態です。
帰還民の再定住を支援するコミュニティリソースセンター(CRC)事業
ミャンマーの民主化以降、タイ国境に逃れていた難民の帰還が少しずつ動き出しました。ミャンマー政府は帰還民や受入周辺の地域住民に向けて住居など基礎インフラ整備を中心とした復興・再定住支援を行っていました。しかし、帰還民が新生活を始めるための情報を得ることは難しく、受入周辺の地域住民にとっても外部からの支援状況や帰還民についての情報を入手することは困難な状況でした。

スタッフ紹介

ミャンマーで働くスタッフを紹介します。

所長
中原 亜紀
ヤンゴン事務所
ヤンゴン事務所コーディネーター
ヤンナイ
ヤンゴン事務所
アシスタントプロジェクトコーディネーター
ゼヤ
ヤンゴン事務所
ヤンゴン事務所総務経理担当
ユパー
ピー事務所
プロジェクトコーディネーター
ハニー
ピー事務所
カウンターパート渉外担当
トータ
ピー事務所
アシスタントプロジェクトコーディネーター
ティン・ミャ
ピー事務所
教育改善事業スタッフ
テテ
ピー事務所
ピー事務所総務経理課長
メメ
ピー事務所
総務経理担当
エピュ
ピー事務所
ドライバー
コゾウ
ピー事務所
ドライバー
タンナイ
ピー事務所
清掃
ドーチーチー
パアン事務所
パアン事務所総務経理課長
エワ
パアン事務所
総務担当
シトゥ
パアン事務所
プロジェクトスタッフ
カイン
パアン事務所
プロジェクトスタッフ
ソトゥ
パアン事務所
ドライバー
ウ・ゾウ
パアン事務所
清掃
シュエシン
ノンフォーマル教育事業

ミャンマーの小学校では、約半分の子どもが退学、学校に行ったことがない就学年齢の児童は58万人以上いると推測されています。小学校を卒業していない若者や成人は、社会的に不利な立場に置かれていることからライフスキル教育、ノンフォーマル小学校(夜間小学校)の運営支援、地域学習センターへ教材や図書の提供、仏教教育、地域美化活動、研修実施支援などを2017年まで行いました。

公共図書館改善事業

ミャンマーには国立国会図書館、大学図書館、公立図書館、コミュニティが自立して運営する村落図書館があります。公共図書館は児童サービスを行うこととされていますが、図書館員は児童サービスの研修を受けたことがなく、児童書も非常に少ない状態です。児童コーナーの改善、オートバイを活用した移動図書館活動の実施、図書館員研修会の開催を2017年まで行いました。

帰還民の再定住を支援するコミュニティリソースセンター(CRC)事業

ミャンマーの民主化以降、タイ国境に逃れていた難民の帰還が少しずつ動き出しました。ミャンマー政府は帰還民や受入周辺の地域住民に向けて住居など基礎インフラ整備を中心とした復興・再定住支援を行っていました。しかし、帰還民が新生活を始めるための情報を得ることは難しく、受入周辺の地域住民にとっても外部からの支援状況や帰還民についての情報を入手することは困難な状況でした。そこでCRCを建設し、CRCを通して情報や知見を共有し、コミュニティの課題を解決していく事業を2021年7月まで行いました。