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新事務局長 山本英里 就任挨拶

2019.7.10  

日頃よりシャンティ国際ボランティア会をご支援いただき厚く御礼申し上げます。この度、2019年7月1日付けで事務局長に就任いたしました山本英里です。

中期事業戦略策定と新事務局長就任についてPR TableEnglish

シャンティ国際ボランティア会 事務局長 山本英里

「食べ物がなくなったらとなり村を襲えばいい。」

彼は5歳から親元を離れ、民兵になるために銃の使い方を教えられ、戦闘の最前線で戦うことに疑問を持つことなく育てられました。親の愛着も知らなければ、学校にも行ったこともありません。アフガニスタンで初めて少年兵に会った時の衝撃を今でも鮮明に覚えています。その誰も信じないと誓ったような厳しい目をした彼が、子どもたちに紙芝居を読むシャンティの職員の姿に見入り、物語に引き込まれ、おかしくてふと笑ってしまったその顔は15歳の少年に戻ったようでした。恥ずかしそうにすぐに顔をそむけた少年はほんの少しでしたが、失った子どもとしての時間を取り戻したのです。この時に、私は、シャンティの原点でもある絵本や紙芝居が持つ大きな力を感じたのです。

貧困、紛争や災害は、子どもたちから子どもでいられる時間を奪い取ります。今全世界で教育を受けられない子どもは初等教育レベルで6,100万人いるといわれています。また、紛争などで住む場所を追われ、難民や避難民生活といった不安定な生活下で暮らしている人々、子どもたちは、およそ7,000万人におよびます。

近年は、グローバリズムの進展により、発展途上国でも急激な経済発展がみられます。その一方で、経済的格差、都市部の貧困、経済的格差が生み出す教育格差、国境を超えた労働者、移民問題、人権、気候変動といった環境問題など、グローバル化の影で私たちが直面する社会課題は複雑化しています。そういった中で、市民社会におけるNGOの役割も問われている中、私たちも変化すべきもの、守り続けるべきものを見極めて活動を展開する必要があります。

教育分野においても、子どもたちは、多様・複雑化する社会の中で直面する様々な課題や困難に対応できるスキル;創造力、コミュニケーション能力、批判的思考、ストレス管理、共感力などの育成が知識の獲得と共に必要だと認識されるようになりました。シャンティがこれまで長年にわたり推進する読書推進やお話し読み聞かせなどの図書館活動は、こういった生きる力を育むために重要な役割を果たしています。

現代における複雑な課題解決は、シャンティだけでは容易に成し得ません。シャンティは、これからもより困難な状況にいる人々に寄り添い、生きる上で必要な力を育むことができる教育の機会の推進に力を入れてまいります。この目標のために、ご支援くださる皆様一人一人の思いを受け止めながら、シャンティの活動を支える市民の皆様との活動連携に加え、これまで以上に同じ目標を持つ様々なアクターの方々、専門機関の方々との連携を強化し、ともに取り組む仲間を作っていきたいと考えています。

また、持続可能な開発目標(SDGs)で提唱されている通り、このような世界的な課題は、もはや途上国だけではなく日本も含めた国際社会共通の課題として取り組む課題とされています。シャンティも設立から40周年を迎えようとしている今、新たに国内においてもこれまで培った経験を活かして課題解決に貢献でいるよう取り組んでいく所存です。気候変動により頻発する緊急・災害時における国内外での取り組みにおいてもシャンティらしい支援の実施を行ってまいります。

すべての子どもたちが教育の機会を得られ、安心して眠ることができる平和な社会を目指して、私たちは、私たちにできる支援を続けていきますので皆様のご指導、ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。

2019年7月10日
公益社団法人シャンティ国際ボランティア会
シャンティ国際ボランティア会 事務局長 山本英里

山本 英里(やまもと えり)

シャンティ国際ボランティア会 事務局長 兼 アフガニスタン事務所所長

静岡県浜松市出身。2001年にインターンとしてタイ事務所に参加。
2002年、ユニセフに出向しアフガニスタンで教育復興事業に従事。
2003年より、シャンティのアフガニスタン、パキスタン、ミャンマー(ビルマ)難民キャンプ、カンボジア、ネパールでの教育支援、緊急救援に携わる。
アジア南太平洋基礎・成人教育協議会(ASPBAE)理事。2019年より現職。

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