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帰国報告会「難民キャンプで7年半シゴトする」&ミャンマーに届ける翻訳絵本作りワークショップ 開催報告

2018.12.16   イベント報告ミャンマー(ビルマ)難民キャンプ

2018年12月9日(日)、恵比寿のEIJI PRESS Labにて、7年半に渡りミャンマー(ビルマ)難民キャンプでの支援事業に従事してきた菊池スタッフの帰国報告会を行いました。

難民キャンプで7年半シゴトする ~勤務を終えた菊池スタッフ帰国報告会&ミャンマーに届ける翻訳絵本作りワークショップ~

2011年からミャンマーとタイ国境にあるミャンマー(ビルマ)難民キャンプで働いてきた菊池より、7年半見続けてきた難民キャンプの現状、現地での活動内容、海外で仕事をすることのやりがいや苦労、挑戦、そしてNGOの必要性についてご報告しました。当日は14人にご参加いただき、約1時間の報告会と、ミャンマーに届ける絵本に翻訳シールを貼るワークショップにご参加いただきました。

帰国報告会&ミャンマーに届ける翻訳絵本作りワークショップ

ミャンマー(ビルマ)難民キャンプの現状

いまから約30年前。戦闘や人権侵害から逃れてきた人々が「難民」としてタイ国境に逃れてきました。1984年に正式に難民キャンプが設立され、今なお約10万人もの難民が暮らしています。

難民キャンプで生まれ育った子どもたち、何十年も祖国の土を踏んでいない人々。難民キャンプの暮らしは国際社会からの支援で成り立っていますが、近年NGOの撤退が相次ぎ、難民の暮らしはますます厳しくなっています。

タイ政府は、難民のタイ社会への統合を認めていないため、これまで10万人を超える難民が第三国定住をしてきました。そのうち8割はアメリカで定住。しかし、アメリカの集団定住は2013年で募集が終了しました。2012年のミャンマー政府とカレン民族同盟の停戦合意以降、個人の判断で自主的に難民が帰還しています。その数は、1万5千人以上。2016年10月末に初めて、タイ、ミャンマー両政府の合意のもと、UNHCRの調整による帰還が行われ、71人がミャンマーに帰還し、第2陣93人が2018年5月7日に帰還しました。帰還後の生活が不透明であるため、帰還を希望している難民が少なくなっています。

7年半、難民キャンプで活動してきた菊池スタッフ

国際支援の減少に伴い、NGOの事業撤退、サービスの削減が続いており、残るNGOの支援も必要最低限に留まっています。広がる社会不安により、麻薬やアルコール依存症、自殺者が増加し、生活苦のため難民キャンプに外で働くことを希望する難民が増えています。

シャンティのコミュニティ図書館事業

シャンティは2000年からコミュニティ図書館事業を開始し、図書館活動を中心とした教育、文化支援活動を行なってきました。現在、7カ所のカレン系難民キャンプで21館のコミュニティ図書館の運営支援をしており、カレニ―系の2つのキャンプにも図書の配布や研修を実施しています。

主に以下の6つ活動を実施しています。

(1) コミュニティ図書館活動
(2)学校への読書推進活動
(3)青年ボランティア活動
(4)図書の出版と配布
(5)伝統文化活動(難民子ども文化祭)
(6)情報提供・共有サービス

図書館活動の成果と課題

〈成果〉
・2017年1年間に延べ約39万人がコミュニティ図書館を利用(子ども:約24万人 大人:約15万人)
・学校教育の教材不足が課題となる中で、学校で図書が教員、学生に有効に活用されている
・青年ボランティアによる図書館活動への参加を通して、彼らの意欲、能力が強化される
・難民キャンプの中で、伝統文化を尊重する機運が高まった
・母語で書かれた絵本が増加した
・図書館がコミュニティの情報センターの役割を担っている

〈課題〉
・先の見えない難民キャンプ運営により増大する住民の不安
・図書館活動の質の維持(図書館員の頻繁な交代)
・将来的な難民帰還、キャンプ閉鎖を見据えた計画づくり

難民キャンプの図書館を通して出会った人々

菊地は現地で活動を続けるうえで、救われた言葉があると言います。

帰国報告会&ミャンマーに届ける翻訳絵本作りワークショップ

それは「シャンティの活動は人間の尊厳を守る活動」という言葉です。

自分の活動が誰に、どのくらい役に立っているのかと考える日々、この言葉で自分の活動の意義を見出すことできたと言います。7年半の活動を通して「人間の尊厳」「平和」「伝統文化の維持」「アイデンティティー」の言葉の持つ重みを学びました。絵本を通して自分の夢を見つける子どもの姿、字の読めない母親に絵本を読んであげる子どもの姿、図書館を通して多くの人と出会いました。子どもの可能性は無限大であり、1冊の本が未来を切り拓く力になります。

誰でも身近なところから国際協力を始めることができます。この報告会に参加し、それを誰かに伝えることも一種の国際協力であると菊池は伝えました。

 

ミャンマーに届ける絵本に翻訳シールを貼りつけ

菊地からの活動報告の後は、ミャンマーへ届ける絵本に翻訳シールを貼る作業を体験いただきました。翻訳シールを台紙から切り取り、絵本に貼りつける作業を2人一組で協力して、1冊の絵本を仕上げていただきました。

ミャンマーに届ける翻訳絵本作りワークショップの様子

今回のイベントには「国際協力に興味があった」という方や「難民問題に関心があった」という方が参加されたり、親子で参加くださった方もいました。イベントのアンケートに「できることからやらせていただこうと思います!」というコメントもいただきました。

翻訳絵本作りワークショップの参加者たちと記念撮影
【今回シールを貼った絵本】
「おおきなかぶ」作:A・トルストイ 絵:佐藤 忠良 訳:内田 莉莎子(福音館書店)
「しんせつなともだち」作:方 軼羣 絵:村山 知義 訳:君島 久子(福音館書店)

 

難民キャンプの人々に希望を届けるため、ご協力よろしくお願いします

ミャンマー(ビルマ)難民キャンプの図書館を継続させるための募金を募っています。
おいくらでもご無理のない金額のご寄付で、ご協力よろしくお願いします。

【イベント報告】
シャンティ国際ボランティア会
広報課 インターン 尾﨑

  • 絵本を届ける運動
  • アジアの図書館サポーター
  • 本の力を、生きる力に。