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ミャンマー国境支援事業事務所が始動しました!

2019.7.12   ミャンマー国境

ミンガラバ。

この度、国境支援事業事務所長となりました中原です。2014年からミャンマー事務所長として約5年間、従事してまいりましたが、今年度よりカレン州にあるパアンに拠点を移しました。

 

今回は国境支援事業事務所(以下、MBP事務所※1)としての初めてのブログになりますので、私からの挨拶と合わせまして、MBP事務所が設立された背景、事務所の組織体制、支援予定地の状況などをご紹介いたします。(※1:Myanmar Border Project Officeの略)

新たに設立されたパアン事務所(MBP事務所)

新たに設立されたパアン事務所(MBP事務所)

 

事務所設立の背景

ミャンマー・タイ国境沿いのタイ側に難民キャンプが開設されてから約40年が経ちましたが、近年、ミャンマー国内で政府と少数民族との全土停戦協定が結ばれたことを受けて、難民の帰還が始まりました。しかし、何十年も難民キャンプ内で暮らした人々は本国であるミャンマーに帰っても住む場所も仕事を見つけることも容易ではありません。そのため全土停戦協定が結ばれてもミャンマーに帰還することをためらっている状況があります。そこで帰還予定先の村の生活環境を整えようといくつかの組織や団体がミャンマー政府と協力しながら支援活動を行ってきました。そしてこの度、弊会もカレン州において復興・再定住支援事業を行うこととなりました。

 

組織体制

弊会は2000年から現在に至るまでタイ・メーソットに事務所を構えタイ側に設置された難民キャンプで支援事業を行ってきました。またミャンマーに帰還する難民の支援は難民キャンプとカレン州の双方から行うことが望ましいため、弊会では、カレン州において新たに設置したパアン事務所と従来より活動していたBRC(※2)事務所をMBP事務所として一つの事務所に統合いたしました。(※2:Burmese Refugee Campの略)

 

事業対象地

今年度の事業対象地は以下の2つの村を予定しています。

 

  • 【レイケイコー村】

レイケイコー村は主要都市のミャワディからは車で40分ほどの距離にあります。村内に目立った産業はないため、住民は主に農業や隣国のタイへの出稼ぎなどで生計を立てています。人口は約3,300人(約800世帯)で、そのうちの約400人(100世帯)が難民キャンプからの帰還民です(レイケイコー村の人口の約12%を占める)。また今後もさらに帰還民を受けいれる予定で、現在、住居の準備などが進められています。

レイケイコー村の様子

レイケイコー村の様子

  • 【ゾージーミャイン村】

ゾージーミャイン村は主要都市のミャワディからは車で90分ほどの距離にあります。レイケイコー村と同様に住民は主に農業やタイへの出稼ぎで生計を立てており、人口は約700人(約190世帯)です。まだ難民キャンプからの帰還民は到着していませんが、受け入れの具体的な計画があるため、住居の準備などが進められています。

ゾージーミャイン村のトウモロコシ畑

ゾージーミャイン村のトウモロコシ畑

 

このように両村ともに帰還民の受け入れに積極的で住民が増加することが予想されますが、今後新しく定住する国内避難民及び帰還民がホストコミュニティとともに活動するための場がなく、また言語や文化継承の課題も抱えています。そこで弊会は対象の2村において全ての住民が日常的に集える場所としてコミュニティリソースセンターの建設支援を行います。同センターでは、図書館活動、コンピューター設置、地域イベントの開催や各種研修の実施を通じて、皆が一体となって参加できる場、情報収集できる場づくりを目指します。

 

私は2001年から07年の約6年間、タイ国境にあるミャンマー難民キャンプでの図書館活動に関わらせていただきました。この間、キャンプに住む人々を通じて、タイ側からミャンマーを見ていました。いつになったらミャンマーは民主化して平和な国になるのだろう、キャンプに住む人たちが一刻でも早く帰還できる日を願っていました。2014年、ミャンマー本国で事業が開始し、自身が現地にて関わることになると分かった時、帰還が開始されることになったならばシャンティとして必ず支援しなければならないと自分なりに誓ったことを覚えています。ミャンマー国内の事業についてはまずはシャンティの実績や基盤作りを行う必要があると、バゴー地域における活動に専念してきました。またこの間、ミャンマー政府とも良好な関係構築が出来てきたかと思います。今回、シャンティとしてカレン州にも拠点を置き、ミャンマー国内でより幅広く活動を行う時となりました。

 

これから支援を行っていく村々は難民の方々が帰還後に生活を始める地域でもあります。一方でそこには帰還以前から住んでいる人たちもいるため、既存の住民と帰還民の共存がとても重要なテーマになってきます。帰還民だけに集中するのではなく、その村にもともと住んでいる人々やミャンマー側に残っていたカレン民族を含めてどのように支援事業を展開していくのか、大変難しい取り組みになるかと思いますが、出来る限り、皆さんの声にしっかりと耳を傾けて、同じ目標に向かっていけるよう努力していきます。それが長期的に見てカレン州、ひいてはミャンマー全体の平和構築、発展につながっていくことだと信じています。

 

本事業はまさに開始したばかりの新たな試みですが、これからスタッフと共に協力しながら日々取り組んでまいります。どうかよろしくお願いいたします。

 

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ミャンマー国境支援事業事務所長

中原亜紀

 

  • 絵本を届ける運動
  • アジアの図書館サポーター
  • 本の力を、生きる力に。