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世界の絵本を読んでみよう「アプサラ(天女)の舞」カンボジア

2020.8.10   カンボジア

シャンティ国際ボランティア会は、良質な本が少ないアジア各国・各地域で独自に制作した絵本を出版しています。子どもたちに質の高い絵本を提供できるよう、現地の作家やイラストレーターを対象とした専門家による研修を実施したり、少数民族たちに口頭で伝承されてきた民話などを絵本にまとめる活動を行っています。

今回、ご紹介する絵本は、2005年にカンボジアで出版した「アプサラ(天女)の舞」です。

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「アプサラ(天女)の舞」表紙

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「アプサラ」は天界に住む美しい女性のことです。アプサラの彫刻は、アンコールワットなど多くの寺院で見ることができます。

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アプサラは踊りを通して神々に国民や国の幸福を祈ります。

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ピンピアット(伝統楽器)の演奏が始まると、ゆっくりとした柔らかい動きをしたアプサラの踊り子たちが登場します。一つ一つの動きに意味があります。

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「今日は、庭に咲く美しい花を見て、心に幸福を感じます。あなたは花を摘み、祈り、捧げるでしょう。あなたが好み、望むなら、花束を捧げましょう。」

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「美しい庭に着いたアプサラは咲いている花を見つけました。姉妹たちはアプサラの姫を遊びに誘いました。花を摘むと心を込めて姫に差し出しました。」

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舞踏が終わりに近づくと、アプサラは両手を合わせてお別れの挨拶をします。カンボジアの舞踏では、踊り子は必ず踊りの最初と最後に観客へ挨拶をします。

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アプサラの姫と姉妹は、故郷に戻っていきます。両手と左足を上げ、天界へ旅立つ動作をします。これは美しい天界へ飛び立つ瞬間を表しています。アプサラの舞は、やさしく、明るく、強い肉体と心を持つカンボジア人であり、カンボジアの文化です。

解説

「アプサラ(天女)の舞」は、ある日、突然声が出なくなった舞踏家のナロム先生が書かれました。先生は家族で唯一の内戦の生き残りです。還暦を過ぎ、あと何人に舞を伝えていけるかを日々悩んでいました。小学校の先生向けの研修でいつもは他の人が絵本を紹介するのですが、ある研修でナロム先生が突然マイクを引き寄せた次の瞬間、先生の声が会場に響きわたりました。「多くの子どもの手に届けるため、先生方に伝えたいという思いが溢れて・・・。思わずマイクを取ったら声が出たんです」と。美しい文化や先祖からの叡智を次の世代に伝えるため、今もシャンティは本の出版を続けています。(出典『シャンティ』通巻247号 2008年夏号)

「世界の絵本を読んでみよう」シリーズ

本記事は、シャンティが発行するニュースレター「シャンティVol.299 (2019年春号)」に掲載した内容を元に再編集したものです。

・世界の絵本を読んでみよう「隼、鹿とねずみ」アフガニスタン
・世界の絵本を読んでみよう「若いめすねずみの結婚相手」ミャンマー
・世界の絵本を読んでみよう「特別な子ども」ラオス
・世界の絵本を読んでみよう「私の好きなカレン月」ミャンマー(ビルマ)難民キャンプ

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