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すべての子どもたちに学ぶ喜びを~第16回ヘルシー・ソサイエティ賞を受賞して~

2020.11.16   シャンティ ヒストリースタッフの声ミャンマー東京事務所より

ミャンマー事務所の市川です。先日、第16回ヘルシーソサイエティ賞ボランティア部門(国際)を受賞しました。

シャンティからのお知らせ|第16回ヘルシー・ソサエティ賞 ボランティア部門をミャンマー事務所長 市川斉が受賞

皆様のご支援があったからこそ、今回の受賞につながりました。御礼を兼ねて、この30年間の活動をピンポイントでお伝えします。

ブラックホールの中に入ったら・・・1995年神戸

1995年1月に発災した阪神・淡路大震災。3カ月で120万人のボランティアが活動し、「ボランティア元年」とも言われました。しかし、当時は、災害でのボランティア活動は最初の2~3カ月というのが一般的で、学生主体だったこともあり、4月になると被災地外部からのボランティアは、ほとんど見なくなりました。しかし、それからが本当の試練でした。街は復興しないし、家も再建できない、個人間の復興の格差を目の当たりにしました。しかし、被災地外には、そのしんどさが伝わらない。もし、ブラックホールの中に入ったら、こんな感じでなのかと思うほどでした。どんなにもがいても、その大変さや苦しみが外側に伝わらず、飲み込まれていくような感じでした。

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文化の違いを超えて 2003年アフガニスタン

2001年の9.11後に、アフガニスタンへの米英軍の空爆が始まり、当初は難民支援で活動を開始。そこで見た惨状から、2003年に事務所を設立し、初代所長に着任しました。食料に事欠くのに、武器だけ豊富。小学生男子が自動小銃(カラシニコフ)を持っている姿を目の当たりにしました。当会シャンティにとっても初めてのイスラム圏での事業。文化の違いに図書館活動がどれだけ受け入れてもらうえるのか、模索の日々でした。絵本の絵で少しでも肌が見えていれば「こんな絵本は使えない」と言われたり、学校でのよみきかせでは、「こんなことをしたら、気が変だと思われる」と、先生からクレームをつけられたりしました。しかし、地道に学校において移動図書館活動を続ける中で、子どもが変わり、先生方も受け入れてくれるようになりました。

040212Chardihi Primary(girls)0005(校舎の廃墟で勉強する女子)

児童中心型教育への試行錯誤 ミャンマー2019年

そして、2019年からミャンマー事務所へ。国が民主化して、その根幹である教育制度が大改革の真っ最中でありました。日本のJICAが小学校の教科書を全面改訂という事業を展開しており、暗記中心型教育から児童中心型教育への試行錯誤でした。ただ、暗記=教育という概念を変えるには、本当に時間がかかると感じました。学校訪問した際、あるクラスでは、新しい教科書をひたすら書き写す授業を行っていたり、大声で暗唱していると思ったら理科の授業でした。当会では、学校への図書室設置の事業を展開しており、図書室を設置し、先生への研修を繰り返し行ってきました。その中で、先生方が、児童中心型教育について考える機会ともなっています。来年度から適用される新たな教育政策にも、学校図書館の活性化していくことが、初めて政策に反映される予定で、大きな手ごたえを感じています。

ベグー郡の学校図書館IMG_2891(小)

「現場で活動する時、一番大切にしていることは何ですか?」 2020年東京

先日、高校で講演をした時、高校生から投げかけられた言葉です。一瞬つまりましたが、ふと出てきたのが、「見えないものを見抜くこと」でした。どんな活動現場に行っても、本当に困難な立場に置かれている人は、自ら声をあげれないし、なかなか、表に見えてこない。だから、目の前で見えていることだけに対応するでなく、絶えず、見えないことを想像するようにしていますとお伝えしました。

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この受賞を原点として、さらに、すべての子どもたちが学ぶ喜びを体感し、自らの一歩を自信をもって歩めるお手伝いができればと思います。そして、紛争と経済のグローバル化を克服・乗り越えて、市民社会のグローバル化が実現する日を信じて活動を続けてまいりますので、これからも、シャンティを応援いただけるよう心からお願い申し上げます。

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