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世界の絵本を読んでみよう「知ったことではない」ミャンマー(ビルマ)難民キャンプ

2021.7.29   ミャンマー(ビルマ)難民キャンプ

シャンティ国際ボランティア会は、良質な本が少ないアジア各国・各地域で独自に制作した絵本を出版しています。子どもたちに質の高い絵本を提供できるよう、現地の作家やイラストレーターを対象とした専門家による研修を実施したり、少数民族たちに口頭で伝承されてきた民話などを絵本にまとめる活動を行っています。

今回は、2012年にミャンマー(ビルマ)難民キャンプで出版した絵本「知ったことではない」です。

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『知ったことではない』表紙

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昔むかしあるところに王様がいました。王様はパンを手に取り、ハチミツをぬって食べ始めました。召使いが言いました。「あぁ王様、ハチミツが窓から外へ垂れています」。すると王様は「気にするな、知ったことではない」と言いました。

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下へ垂れたハチミツは床に落ちました。それを見つけたヤモリはハチミツをなめました。召使いは言いました。「王様、ヤモリが落ちたハチミツをなめています」「気にするな、知ったことではない」と王様は言いました。

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すると今度はハチミツをなめているヤモリをネコが見つけて捕まえました。「あぁ、王様、今度はネコがヤモリを食べています」と召使いは言いました。「気にするな、知ったことではない」と王様はまた言いました。

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ヤモリを食べているネコにイヌがかみつきました。ネコの飼い主は、自分のネコがイヌにかまれたのを見て、ほうきでイヌをたたきました。イヌの飼い主は怒り、すぐさまネコの飼い主とけんかを始めました。

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しばらくすると、ネコの飼い主を助けるため仲間がやってきました。そしてイヌの飼い主の仲間もやってきて、けんかはどんどん大きくなりました。

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宮殿の外で始まったけんかは、宮殿の中まで広がり、もはやけんかと呼べるものではなくなってしまいました。宮殿は燃え、跡形もなくなるまで続いたのです。王様と召使いたちは、命からがら燃え盛る宮殿を後にしました。

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「一滴のハチミツが元で、こんなことになるとは。『知ったことではない』などと言っている場合ではなかったのだ」。王様はようやく気づいたのです。小さな問題がどんどん大きくなっていくことに。王様と召使いは木の下に住むことになってしまいました。

「世界の絵本を読んでみよう」シリーズ

本記事は、シャンティが発行するニュースレター「シャンティVol.294 (2018年春号)」に掲載した内容を元に再編集したものです。

・世界の絵本を読んでみよう「ヤアンラーン」ラオス

・世界の絵本を読んでみよう「心優しいゾウ」カンボジア

・世界の絵本を読んでみよう「アリとオウム」ミャンマー

・世界の絵本を読んでみよう「パヒロン(土砂災害)が来た」ネパール

・世界の絵本を読んでみよう「かすがいのステッキ」ミャンマー

・世界の絵本を読んでみよう「マイナ鳥と不思議なカボチャの種」アフガニスタン

・世界の絵本を読んでみよう「アプサラ(天女)の舞」カンボジア

・世界の絵本を読んでみよう「隼、鹿とねずみ」アフガニスタン

・世界の絵本を読んでみよう「若いめすねずみの結婚相手」ミャンマー

・世界の絵本を読んでみよう「特別な子ども」ラオス

・世界の絵本を読んでみよう「私の好きなカレン月」ミャンマー(ビルマ)難民キャンプ

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