学校校舎などのハード支援だけではなく、「知育」「徳育」「体育」すべてがバランスよく浸透し、学校、村、教育局が一体となって発展していく夢の学校を作ろうという願いを込めて、昨年度までの「学校建設事業」から改称を行い、それを実践してきました。
校舎建設前から学校敷地内の有効利用を村人と考え、教育局からも意見を聞きとりました。学校の将来像を「マスタープラン」にあらわすことで、関係者が共通の目標を見て、それぞれ自分の果たすべき責任をはっきり自覚することができるようになりました。
2008 年度は、世界的な燃料の高騰、建設ラッシュ、タイ国境の紛争などの影響も受けて、工賃を含むすべての建設費用が値上がりする厳しい状況の中、シェムリアップ州とコンポントム州を中心に16 棟の小学校建設が完了し、2,321 人の子どもたちが安心して学ぶことができるようになりました。
2009 年度は引き続き、教育局関係者との強い協力体制ができたシェムリアップ州とコンポントム州を中心に、12 棟の小学校でドリームスクールの活動を進める計画です。
(写真:完成した小学校から下校する生徒たち)
子どもが通いたいと思える図書館作りをめざし政策を作っていく教育省職員と州レベルの担当官、現場の校長先生、図書館員そしてSVA スタッフが一体となり、2008 年度は研修会を中心に活動を行いました。シェムリアップ州とコンポントム州を対象に7 回の研修会を実施し373 人が参加、プノンペン市では、11 州から81 人が参加して意見交換を行い、これまでの活動の集大成となる図書館活動マニュアル案を作成しました。移動図書館活動は152 回行われ、3 万7,345 人の子どもが読み聞かせに耳を傾けました。また、出版では絵本を5 タイトル(各3,000 冊)、紙芝居を3 タイトル(各350 部) 印刷し、日本からの絵本とあわせて小学校へ配布しました。その他、2 棟のモデル子ども図書館建設も実施しました。
2009 年度はシェムリアップで行っている研修会活動の最終年度となるため、関係諸機関との連携を強化しつつ、事業を実施していきます。完成した小学校から下校する生徒たち
(写真:図書室大好きな人手を上げて!)
2008 年度はプノンペン市内の最貧困スラム20 ヵ所へ定期巡回し、移動図書館活動を240 回行い、1 万5,148 人(子ども1 万3,671 人、大人1,477 人)が参加しました。貧困家庭が多いスラムでは働く子どもが多いのですが、ゴミを拾ったり野菜を売るなどして生計を助ける子どもたちも、手を休めて活動に参加していました。また、スラムで活動する現地NGOのコミュニティ図書館に図書箱を配布すると共に、スラム住民の再定住地にあるトロペアン・アンチャン小学校の児童259 人へ移動図書館活動とともに学用品支援を行いました。
2009 年度は引き続き10 ヵ所のスラムへの定期巡回を行うと共に、スラムで活動する他のNGOへ図書箱や絵本の配布を行い、連携を深めながら活動の質を高めていく予定です。
(写真:スラムで絵本を読む女の子)
2008年度は、クメール人の精神的支えとなっている寺院の僧侶を中心に、研修会と自然保護活動をコンポントム州とスヴァイリエン州で実施しました。研修会では、「自然保護と生物多様性」、「クメール伝統音楽の保存」そして「クメール文化遺産保全における寺院の役割」をテーマに3 回実施し、計838 人の僧侶が参加しました。また、僧侶と村のリーダーのためのクメール建築様式、文化、自然保護について学ぶツアーを実施し、16 人が参加しました。自然保護活動では、苗木センターを各寺院内に3 ヵ所設置し、23 種計4 万3,918 本の苗木を育成しました。また、前年度に育成した苗木4 万2,716本の植林活動も行いました。植林には、村人を含め2,589 人が参加しました。
2009 年度は引き続き、仏教寺院を通じた人材育成や、伝統文化・自然保護活動を実施していく予定です。 (写真:植林した木のモニタリング)