シャンティブログ

  1. ホーム
  2. シャンティブログ
  3. パーレックの引退

パーレックの引退

2011.9.12   タイ

こんにちは。

SVAタイランド(シーカー・アジア財団)の松尾久美です。


本日は、スラムの地域発展に長年、携わってきたスタッフの活動の軌跡と

引退のニュースをお送りします。


スアンプルー図書館の名物スタッフ、ノンヤオさん(65歳)。

地域では、パーレック(レックおばさん)と呼ばれ親しまれてきました。



ほっとシャンティ SVAブログ

[写真]活動の写真を送られるパーレック


SVAが初めて、タイのスラム地区で活動をしたのが、ここスアンプルー地区。

26年前のことです。



約8000人が暮らす、大きなスラム地区の中で、

SVAは保育園、子ども図書館を設置し、運営してきました。


ほっとシャンティ SVAブログ

パーレックが40歳を少し過ぎたころ、

子どもからも手が離れ、時間に余裕ができていました。

そんな時、家の近くに図書館があることを知ったのです。

小さな頃から本が好きだったパーレックはさっそく覗きに行きました。

8疊ほどの敷地に建てられた2階建ての家に子どもたちがあふれています。

ひとりの若いスタッフがてんてこ舞いをして、対応しているのが目に入り、

不憫に思ったパーレックはその日からボランティアとなったのでした。


本も子どもも好きな性格が幸いし、毎日、朝から晩まで、図書館で過ごす生活が始まりました。

いつの日か、自身がスタッフとなり、地域の教育推進の柱として、住民リーダーともなっていました



ほっとシャンティ SVAブログ ほっとシャンティ SVAブログ

[写真]左:4時間、燃え続けた炎。   右:火災翌日


スアンプルー地区が大火災に見舞われたのは7年前のこと。




全体の8割の住居が損なわれた地域の中で、

パーレックは大型テントを張り、まずは図書館を再開します。


ほっとシャンティ SVAブログ ほっとシャンティ SVAブログ 


[写真]テント図書館の活動  

    左:住民会議の場所ともなる。    右:絵本を読むパーレック 



現在、火災直後からは想像もできなかった立派な住宅が並び、

火災前の活気を取り戻しつつあるスアンプルー地区。



この復興を見届けての、パーレックの引退にスタッフも地域住民も

感謝と慰労の気持ちを込めて送別会を行いました。

引退後は、出身地である東北部シーサケート県へ戻り、隠居生活を送るとのことです。


スタッフから、地域のために誠心誠意を尽くす姿勢を学んだとの声があり、

小さな頃からお世話になった青少年代表は、

「パーレックがいなければ、今の私はありません」

と声を詰まらせました。



ほっとシャンティ SVAブログ
[写真]最後の思い出に青少年と得意の踊りを披露するパーレック

これを受け、パーレックは、自身の活動経歴を振り返ったあと、

最後のメッセージを地域の青少年、後輩スタッフに伝えてくれました。


「小学校6年生までしかでていない自分が、これだけのことができたのだから、

 あなたたちにはどれだけ可能性があるかわからない。

 とにかく、前向きにやらなければやらないことをコツコツ積み重ねていってほしい」



ほっとシャンティ SVAブログ

多くの人から流された涙を見て、パーレックの活動への熱い想いは、

確実に次世代へ伝わっていることを実感し、

人を動かすのは人だと、改めて学んだ日でもありました。


松尾久美

  • 絵本を届ける運動
  • アジアの図書館サポーター
  • 特集:35周年特設サイト