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「学校に行きたい、家族にも会いたい!」 ある少年の話

2021.5.2   ミャンマー

ミャンマー事務所の市川です。
昨年4月以来、引き続き、日本からの遠隔による事業調整を継続中です。

一番つらいことは・・・
先週、スタッフへの未払い給与を2カ月まとめて振込むことができて一安心。ご存じの通り、CDM(市民的不服従運動)が広がり、銀行員が出勤せず、銀行閉鎖が続いています。預金が銀行口座にあっても引き出したり、送金ができませんでした。そのため、一時期、事務所のインターネットも使えず、建設事業もストップ。事務所の夜警への給与未払いのため、警備を引き上げそうでしたが、なんとか継続してもらいました。いろいろな方法を調整して、銀行が開かずとも資金が動かせるようになりました。
ただ、最近、一番つらいと感じるのは、現地の状況をはっきりとスタッフに聞けないこと、言えないことです。NGOのスタンスとしては、政治的な状況については中立であり、いかに厳しい状況に置かれている人々をサポートするかですが、何か書いたり、伝えたりすると、それが不法逮捕の口実になる懸念から、お互いに非常に神経質になっています。
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ピィの中心地のLan Ma Taw ロード。閉まっている店も多く、人もまばら。

ある少年のこと
そんな中、ピィ事務所のあるミャンマー人スタッフが、こんな話を教えてくれました。
「2月1日のクーデター直前のことです。私が、夕方、エヤワディー川沿いにある食堂に行った時、飲み物を注文して、くつろいでいました。エヤワディー川は、月光に照らされた川の色がどれほど美しく、絵になるかは想像に難くありません。冷たい風と新鮮な空気が私の中を通り抜けていきました。その時、10か11歳くらいの少年のウェイターが飲み物を届けてくれたのですが、年齢的にも働くべきでなし、その食堂の家族でもなさそうなので、ちょっと疑問に思い、話をしました。
彼は、中学1年生に昨年進学したにも関わらず、新型コロナ拡大感染の影響で学校に行けず、近くの村から、この食堂に寝泊まりしながら出稼ぎに来ていたとことがわかりました。小学校3年生の妹がいて、父親が農業をしていますが、稼ぎも十分でなく家族を養うことができません。
「再開されたら学校に行きたい。私はもう働きたくありません。ここに来てもう一年になるし。早く学校が再開されることを願っています。家族や妹にも会いたいです」と涙ながらに語ったとのこと。
そして、クーデター以降、再度、レストランに行ったら、彼はまだ働いていました。夜8時になると、国軍への抗議の鍋たたきをしていました。彼の村は、国軍の基地がそばにあるので、家でも鍋たたきはできないようです。彼は、「誰が政権を握っても関係ない。早く学校を再開してほしい。学校に行きたいと」と話していました」。
その後、彼は、国軍に対する市民の抗議活動が厳しくなったため、身の安全を考えて、自分の村に戻ったと報告がありました。
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夕方のエヤワディー川。雨季でも晴れ間が広がると美しい夕日が見ることができます。

子どもたちが安心できる生活して、学べることを祈って
これは、ひとつの例ですが、ミャンマーでは、コロナ禍やクーデターの影響で、学校が一年以上にわたり閉鎖していて、このような子どもたちがかなりの数にのぼると予想されていますが、その実態は充分に把握されていません。6月の新学期には学校が再開されるという情報もありますが、一方では、公務員によるCDM継続により学校が再開することは難しいだろうという話もあります。
子どもたちが一日も早く、学校に行くことができ、そして、当会シャンティとしても、教育支援活動をできるように、行動が制限され活動に制約はある中ですが、その準備を進めています。

クラウド・ファンディング(READYFOR)「緊急支援・クーデター下のミャンマーからの避難民を支えたい」を開始しました。皆様のご協力のほど、よろしくお願いします。

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